道内で生産量増加のニンニク、落花生、さつまいも 札幌で消費拡大応援フェア
道は、道内で生産量が増加しているニンニク、サツマイモ、落花生などの農産物を「新顔作物」とし、需要拡大の後押しに取り組んでいる。生産地としての認知向上を目的に、道内飲食店と連携した特別メニューを提供するほか、アンテナショップでの催事販売を通じ、来道した観光客らにPRしている。(沖田唯可)
「芽室産のサツマイモを使った焼き芋。冷凍販売していますが、焼きたてよりも皮がなじみ、口の中に残らないのが特徴です。夏はシャーベット状にしても、おいしく食べられます」
札幌市内の「どさんこプラザ」で8~14日に開かれた催事「畑の新顔デビューフェア」。鈴鹿農園(芽室町)の鈴鹿誠社長は会場で、自社のサツマイモを消費者にアピールした。同農園は3年前からサツマイモ栽培を本格的に開始。会場では、干しイモなどの加工品も販売した。
道によると、サツマイモや落花生の道内作付面積は7、8年前に比べ8~9ヘクタール増加。ニンニクの生産量は約250トン伸びている。
背景には、気候変動による作物の適地化が進んでいることや、道内生産者の間で地域の特産物を独自に作ろうとする動きが活発化したことを挙げる。
鈴鹿社長は「サツマイモは肥料や農薬を使わない栽培方法と相性が良く、安心安全を消費者にアピールすることもできる」とし、クリーン農業との相性の良さも指摘する。
こうした中、拡大傾向にある作物の消費を後押ししようと、道は今年度「道産新顔作物振興事業」を実施した。
フェアでは、サツマイモ、干しイモ、焼き芋のほか、道産ニンニクのつかみ取り、塩ゆでピーナツなどを販売。また、昨年11月には、羽田空港内のアンテナショップでも同様のフェアを開催した。
イタリア料理店や居酒屋などのチェーン店を札幌・仙台・関東で約50店舗展開するイーストン(札幌市)とも連携。清水町のニンニクを使った串焼きや芽室産落花生のみそつくね、芽室産サツマイモのサラダなどコラボメニューを2月いっぱい提供している。
13日、フェアを視察した土屋俊亮副知事は「いずれは新顔作物ではなく、北海道の基幹作物となるよう道としても応援したい」と話していた。