「周産期医療の水準向上に支援を」助産師ら講習会費CFで募る
道内の産婦人科医や助産師、救急救命士でつくる「北海道周生期医療救急支援の会」(HOPPIE、黒田敬史会長)では、産科医療に携わるスタッフが、妊婦の急変に効果的に対処できる技能を取得する講習会の道内定期開催を目指し、クラウドファンディング(CF)を実施している。
講習会は、NPO法人周生期医療支援機構(本部・石川県金沢市)が手掛ける「周産期医療・救急シミュレーションコース(ALSO/BLSO)」。周産期救急領域の医療水準向上を目指し、道内では年1~3回、講習会を開いてきたが、費用面の問題で一時中断。安定的に開催するため、CFで資金を調達することとした。
講習会は、全道各地から集まる医師や助産師、救急救命士らの交通費、講師を招く費用、災害時母子救護研修やHUG(避難所運営ゲーム)の開催、会場設営などで、1回100万円程度掛かるという。さらに、産科・婦人科手技の練習器具「分娩(ぶんべん)シミュレーター」も購入し、より効果的な講習会の実施も目指す。
すでに第1目標(300万円)には到達し、現在は第2目標(500万円)を設定。28日まで募集するが、目標到達後も今後の活動に備えて継続する。
十勝では2015年以降、講習会は未開催となっている。HOPPIEのメンバーで、十勝管内で唯一、ALSO/BLSOを持つ三守由記さん(帯広厚生病院看護部係長アドバンス助産師)は「安全・安心なお産と、地域の周産期医療体制強化のためには、継続的な開催が必要。ご支援を」と呼び掛けている。
講習会開催への支援は、HOPPIEのホームページから受け付けている。(松岡秀宜)