男女の本音や苦労をまとめて文化祭で発信 帯西陵中が「生理の貧困」プロジェクト
コロナ禍で浮き彫りになった「生理の貧困」の問題をきっかけに、帯広西陵中学校(福田茂校長、生徒375人)の保健美化委員会の生徒有志が今年度、「安心プロジェクト」を立ち上げ、思いやりのある学校生活を目指して取り組んでいる。男子と女子が生理について話し合った前期の活動の成果を模造紙にまとめ、10月1日の文化祭で掲示する。
生理の貧困が社会問題化する中、市教委は昨年度、同校など2校に生理用品を試験的に設置。両校の女子生徒を対象に実施したアンケートで、9割の生徒が設置は「不安の軽減につながる」と回答、市教委は今年度から市内全小中学校に設置している。
こうした動きを受け、保健美化委員会担当の能代寛子養護教諭と中村京子教諭がプロジェクトの発足を呼び掛けたところ、男子7人を含む1~3年生14人が賛同した。
プロジェクトでは、学校に配布された生理用品をケースに詰めたり、「この生理用品は急に来たときや困ったときに使ってください」「困ったときにはいつでも保健室に相談に来てください」などと書いた掲示物を作成したほか、メンバーが生理について語り合った。
女子からは「リュックサックからナプキンを取り出すときに人の視線が気になり、休み時間にトイレに行けないこともある」、男子からは「生理の時に女子が急によそよそしくなり、避けられているように感じた」などの声が聞かれた。話し合いを振り返り、1年の越後谷海斗さん(13)は「これまでは具体的に何もできなかったけど、少しは(女子の)力になれそう」と笑顔を見せる。
話し合うことで分かった互いの本音や苦労を全校生徒に知ってもらおうと、文化祭での発信を決めた。生理の貧困や、生理にまつわる話題をイラストを交えて親しみやすく伝える。2年の安村心優さん(13)は「これを見て、女子のしてもらいたいことなどを知ってもらえたら、理解し合えると思う」と話す。
中村教諭は「学年にもよるが、今までは男女で生理の話題はタブーだった。この取り組みをきっかけに、生理にかかわらず、声を掛け合う優しい社会になれば」と期待する。(澤村真理子)