看護学科、11月から出願受け付け 帯広大谷短大
帯広大谷短期大学(音更、田中厚一学長)は、来年4月に開設する看護学科の募集要項をまとめた。11月から願書の受け付けを開始する。看護学科の大野夏代学科長(60)は「どの病院に就職するかだけではなく、どのような看護師になりたいか、どのように生きたいかを考える機会を提供したい」と話している。(内形勝也)
看護学科は文部科学省から8月31日付で認可された。十勝圏域では初の看護系大学となる。3年制で1学年40人の定員。学生は十勝管内を中心に、釧路管内を含む道東エリアなどから(1)学校推薦型選抜(公募・指定校)(2)社会人特別選抜(3)一般選抜(1・2期)(4)大学入学共通テスト利用選抜(1・2期)-で募集する。
(1)(2)の出願期間は11月1~9日で、試験日は同19日((1)は志望者多数の場合は同20日に実施することがある)。(3)は1期の出願期間が2023年1月6~27日で、試験日は同2月4日、2期の出願期間は23年2月1~14日で、試験日は同2月18日。(4)の出願期間は1期が23年2月1~14日、2期は23年2月17日~3月2日。
看護学科実習棟は、同短大敷地内北側にある駐車場に建設中。木造2階建て、延べ床面積約1400平方メートル(建設工事費5億3570万円)。1階には、妊産婦や小児、高齢者の看護を学ぶ実習室や研究室、学生らの休憩スペースも設ける。2階は、成人看護実習室や研究室を設置する。
教員は大野学科長を筆頭に18人を配置予定。大野学科長は名古屋市生まれ。千葉大看護学部を卒業し、東京女子医科大学病院、埼玉県立衛生短大、埼玉県立大、JICAスリランカ看護教育プロジェクトを経て、札幌市立大看護学部で准教授、特任准教授を務めた。4月に帯広大谷短大看護学科設置準備室参事、9月から現職。大野学科長は「人づくりは未来づくり。十勝の未来をつくる仕事に参加できてうれしい」と話している。
看護学科の特長の一つは、地域住民らの健康の課題に向き合うことを意図し、『地元創成看護学』を科目として設置する。大野学科長は「生活に即した援助を行うことで、住民自ら健康を守る力を獲得することにつなげてもらう」とPRする。
また、地域住民を対象に、ボランティアで病気やけがを負った模擬患者を演じ、学生の演習に協力する模擬患者養成講座を8日に開講(定員20人)している。大野学科長は「提示された課題(状況)を緊張の度合いが少ない状況で学生が自分の力を試し育むことができる」と話している。
同短大では、地域のニーズに対して感度を持ち続け、将来にわたって地域で必要とされる看護学科を目指し、柔軟に運営する考え。