とかちプラザでアイヌ文化交流会 伝統舞踊の披露や工芸品展示
帯広市アイヌ生活文化展実行委員会(笹村昭義委員長)が主催する「アイヌ文化交流会」が30日、帯広市内のとかちプラザ・1階アトリウムで始まった。31日午後4時までアイヌ民族の伝統工芸品の展示を行い、アイヌ文様の刺しゅう体験などを実施した。
同交流会はアイヌ民族の文化に触れてもらおうと、2010年から国連で定めた8月9日の「世界の先住民の国際デー」に合わせて毎年実施しており、今回で13回目となる。
初日は午後1時からオープニングセレモニーを行い、約50人の来場客が参加した。笹村委員長が「このような機会を通じて、少しでもアイヌ民族の歴史について考えていただければ」とあいさつ。来賓の池原佳一副市長が「市としても、素晴らしいアイヌ文化に理解を深めてもらうため、情報発信に努めたい」と話した。
その後、帯広カムイトウウポポ保存会(酒井奈々子会長)の12人がアイヌ古式舞踊を披露した。アイヌ民族伝統の楽器「ムックリ」の演奏から始まり、「立ち上がって大いに踊りましょう」という意味の「ウタリオプンパレ」など5曲を舞った。来場客たちはリズムに合わせて自然と手拍子を送っていた。
家族で訪れた市内の会社員、佐々木優さん(38)は「何度かアイヌ民族の古式舞踊は拝見しているが、いつ見てもその曲一つ一つにある情景が浮かんでくる」と感動した様子で、「これからも文化に触れていきたい」と話した。(山田夏航)