札幌市の皆川さん 「幻の愛国-幸福切符」販売し、ボランティア資金に
札幌市在住の元映画俳優、皆川宗徳さん(83)=ミナガワ企画代表=は、自宅に保管していた36年前の「愛国から幸福ゆき」切符を当時の駅舎写真なども含めた特別セットとして、200組限定で幸福駅で販売する。高齢者施設などへの慰問ボランティアの資金とする考えで、芸能生活60周年を迎えた皆川さんは「今は目にすることができない幻の切符。一人でも多くの人が切符を手に夢や感動を感じてほしい」と話している。
皆川さんは札幌市出身。18歳で上京して俳優業へ。東映では千葉真一と同期で、映画や里見浩太朗主演の「水戸黄門」などのテレビ時代劇に出演した。地元の札幌に戻ってからは、1000組以上の結婚式の司会を務めたほか、老人ホームでの慰問で一人芝居「国定忠治」や昭和の名曲などを披露している。
愛国-幸福切符は昭和50~60年代ごろ、皆川さんが幸福駅で大量に買い求め、披露宴で新郎新婦にプレゼントしていた。コロナ禍中に自宅を整理していた際、1986年に購入した切符が多数出てきたという。
今回販売するのは、往年の切符2枚と昭和60年代の駅舎などの写真3枚、詩1編が書かれた写真シートのセットで1300円。そのほか、リーフレット2枚セット(300円)、絵はがき3枚セット(200円)を販売する。幸福駅前にある杵渕商店が販売を担い、杵渕ケイ子店主(80)は「皆川さんは昔からの知り合い。切符は私の手元にもない貴重なもの」と話す。各種セットは近日中にも発売する。
皆川さんにとって、高齢者施設への慰問は40年以上続けているライフワーク。「体がいつまで続くかわからないが、まず85歳までは皆さんにご奉仕したい」と意気込んでいる。(松村智裕)