上士幌、鹿追に選定証 国の脱炭素先行地域
【東京】二酸化炭素排出量削減と地域課題解決を結び付けた取り組みを国が支援する「脱炭素先行地域」の選定証授与式が1日、都内で開かれた。上士幌、鹿追の両町を含む全国26件に選定証が贈られた。
2030年度までに温室効果ガス排出量を実質ゼロにすることを目標に、他地域のモデルとなる先進的な取り組みを支援する。79件の提案から26件が採択された。
上士幌町は、家畜ふん尿由来のメタンガスを利用した発電や大規模太陽光発電による電力などを町内全域に供給。鹿追町は太陽光やバイオガスプラントなどの設備を集中導入、公共施設に再生エネルギー由来の電気を供給する。
山口壮環境相から選定証を受け取った上士幌町の竹中貢町長は「全国のモデルとなるのは光栄で、責任も感じる。新しい未来に向けたまちづくりを進めていく」と話した。鹿追町の喜井知己町長は「バイオガスプラントや地中熱、太陽熱などいろいろな再生可能エネルギーを組み合わせ、取り組みを進めていく」と語った。
山口環境相は「脱炭素を制する者が、次の時代を制するのは間違いない。26の先行地域は、脱炭素ドミノを起こすための大事な出発点となる」と期待を寄せた。(池谷智仁)