市が水道施設の防災強化へ 中島配水場の耐震補強など
帯広市は今年度、市内2カ所の水道施設で災害対策を強化する。中島配水場(中島町東4線)は、配水池と建物部分の耐震補強工事を行う。現行の耐震基準に満たなかったが、今回の工事で市内に4カ所ある配水池すべてが新基準に対応する。稲田浄水場(稲田町東2線)では浸水対策の止水板を設置する。
中島配水場は1986年の建築。十勝中部広域水道企業団の浄水場(中札内村)から水を受け入れ、中島、大正、愛国地区の847戸に一日平均400トンを供給している。
配水池の貯水量は660トン。鉄筋コンクリート造りで、内部に耐震補強の壁を設置する。鉄骨造り平屋の建物には筋交いを取り付ける。予定工期は6月~来年3月。2槽に分かれる配水池を順次工事するため、工期中の供給に影響はない。事業費は3800万円。
市内の配水池は、別府配水池は94年に新築、稲田浄水場は2012年に補強工事、南町配水場は15年に改築し、それぞれ耐震基準を満たしている。
浸水対策を行う稲田浄水場は、19年に見直したハザードマップで近くの札内川が大雨で氾濫した場合、最大1・6メートルの浸水被害が想定されたため、新たに止水板を設置する。設置箇所はポンプ場、浄水棟、管理棟、電気棟の入り口11カ所。既存の対策に追加する形で1・6メートルの浸水に備える。予定工期は7月~来年3月。事業費は3420万円。
市は「配水池の耐震は計画に沿って進み、中島配水場で最終となる。より安全に水を供給していく」(水道課)とした。(大海雪乃)