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林男子1500メートル準V 女子は真野3位 インターハイスピードスケート第3日

【男子1500メートル】林拓磨(左、白樺学園)は長身を生かした滑りで同走の井出雄斗(右、小海)と競り合う。林は優勝の井出に続き準優勝を飾った

(20日・八戸市YSアリーナ八戸)
 第3日は男女計3種目を行った。男子1500メートルで、林拓磨(白樺学園2年)が首位と0・74秒差の1分52秒44で準優勝を果たした。女子同では、真野美咲(山形中央3年-中札内中出)が3位に入り、今大会で初の表彰台に立った。奥秋智佳(白樺学園1年)が4位入賞。上位4人が長野県勢だった男子1万メートルは、大道康裕(帯農3年)の5位入賞が十勝勢の最高成績だった。(新井拓海、金野和彦)

◆準優勝の林、初の表彰台も悔しさ「来年2冠を」
 男子1500メートルで力走した林拓磨が準優勝を果たした。ただ、狙っていたのは自己ベストを更新した上での優勝。中学と高校時代を通して初の全国の表彰台に立ったが、悔しさもにじませた。

男子1500メートル準優勝の林拓磨(白樺学園)

 「今までの記録を見ていて、最後がとても速い」と感じていた井出雄斗(小海・長野)との同走でも、相手の滑りを自身の力に変えた。試合前の想定通りに、レース序盤で井出を懸命に追走し、「スピードをもらえた。自分にとっても最後が有利になった」と、追うことで後半につなげた。結果的には、井出に0・74秒差で敗れはしたが、確かな手応えがあった。

 コーナーでの左足の使い方に向き合ってきた成果も出た。体の真下に左足を置くことを意識し、氷に対してより力を伝え切る技術を磨いてきた。まだ完全には習得していないが、「いつもよりできた」と今回は及第点だった。

 「5000メートルは1番好きな種目。自分は粘れる」とし、1500メートルと5000メートルで戦う。1500メートルのスピード感を5000メートルに生かし、両種目の相乗効果で力を伸ばしてきた。それだけに、6位に終わった前日の5000メートルの悔しさも、今レースにぶつけていた。

 オホーツク管内清里町出身。「レベルが高いところでやりたい」と、白樺学園を志した。同学年のチームメート久保杏奈が前日、女子1000メートルを制し、「優勝した人がいたら悔しいし、励みにもなる」と、刺激のある環境に身を置いて努力を続ける。

 「来年は2冠したい」と早くも雪辱を誓う。180センチ越えの長身に筋肉も増え、体重は1年時から4キロ増の71キロになった。心身ともに、さらなる成長を期待させる2年生が現れた。

【女子1500メートル】3位に入賞した真野美咲(山形中央)

◆真野美咲、濃い高校生活集大成の滑り
 真野美咲が女子1500メートルを2分5秒06のタイムで滑り3位に入賞した。前日の1000メートルは4位。コーナーでの力の加え方に悔いを感じつつも、1500メートルで今大会初の表彰台に立った。

 真野は中札内中3年生時、全国中学体育大会の女子1500メートルで堀川桃香(白樺学園3年、当時大樹3年)を抑えて優勝するなどの成績を収め、山形中央に進学した。

 「すごい濃い3年間だった」と、真野は高校生活を振り返った。高校1年時のインターハイでは、1000メートル、リレー、団体追い抜きを制し3冠を達成した。

 しかし同2年時、自転車のロードトレーニング中に転倒して頭を打ち入院。退院後も氷上練習で足首を捻挫し、膝にも障害を抱えるなど不運が重なった。そのシーズンのインターハイでは団体追い抜きで優勝し、学校対抗も制したが、個人種目の成績は振るわなかった。

 真野は「今までの(苦しかった)経験が、私のスケート人生で大切なことだった。苦労して跳ね上がってくると思っている」

 3年間で成長したことを問われた真野は真っ先に、「人間性ですね。山形中央に来て考え方が変わった。自立と自律をテーマにしている(高校)。(山形)中央でしか学べないことなのかなと思う」。4月からは日体大で、体育教員を目指しながら競技に取り組む。

【女子1500メートル】4位に入り、スタンドの仲間に笑顔で手を振る奥秋智佳(左、白樺学園)

◆奥秋智佳「堀川先輩の分も」必死に滑り4位
 女子1500メートルで、1年生の奥秋智佳が2分5秒99の記録で4位入賞を果たした。

 終盤、転びそうになるくらいの足のつらさを感じながらも必死に足を動かし続けた。「(北京五輪出場の堀川)桃香先輩の分まで(頑張ることで学校対抗の)ポイントを獲得できたことはよかった」

 堀川の滑りから技術を学んできた。後ろについて滑ることでスケートの刃の使い方を学んだり、堀川の滑りの動画からも研究を重ねたりしてきた。レース前後には、堀川から応援とねぎらいの連絡をもらって励まされた。

 今回、課題に感じた体重管理を今後、より意識していく。「高校選抜(2月19、20日・明治北海道十勝オーバル)までに体を絞る」と、さらなる成長を目指す。

【男子10000メートル】十勝勢最高位の5位と健闘した大道康裕(帯農)

◆男子1万メートルで5位の大道康裕の話
 自己ベスト更新を目指して頑張ったが届かなかった。全力は出し切った。高校を卒業したら実家の農家を継ぐが、農高で競技をサポートできたらと考えている。


(9位以下関係分)
【男子】
▽1500メートル
(1)井出雄斗(小海・長野)        1分51秒70
(2)林拓磨(白樺学園)          1・52・44
(3)市場翔太(嬬恋・群馬)        1・53・14
(4)中捨朝陽(白樺学園)         1・54・87
(5)藤田耀司(帯三条)          1・55・26
(6)原瑞樹(小海・長野)         1・56・38
(7)小丹枝海斗(帯農)          1・56・97
(8)夏目笑(中京大中京・愛知)      1・57・45
(10)山本敬太(池田)          1・57・60
(14)戸水駿大(帯南商)         1・58・38
(18)寺町凌太(帯農)          2・ 0・29
(25)北野陽翔(帯三条)         2・ 3・55
(30)森住駿(帯南商)          2・ 4・82
(33)植本一希(池田)          2・ 5・88
▽1万メートル
(1)吉澤柊威(小海・長野)       14分 0秒48
(2)菊原颯(市立長野)         14・ 4・95
(3)今井寛人(佐久長聖・長野)     14・ 8・24
(4)中村龍太郎(長野工業)       14・10・29
(5)大道康裕(帯農)          14・13・57
(6)立花英太郎(白樺学園)       14・21・52
(7)佐々木海地(八戸西・青森)     14・23・09
(8)船崎優太(駒大苫小牧)       14・28・34
(9)齊下功聖(白樺学園)        14・28・99
(14)白川弘(帯農)          14・44・81
(15)佐藤太陽(帯三条)        14・45・52
(19)小谷謙太朗(山形中央-札内中出) 14・55・91
(20)佐々木大樹(帯柏葉)       15・ 6・24

【女子】
▽1500メートル
(1)畠山雪菜(小海・長野)        2分 1秒06
(2)宮川笑佳(長野東)          2・ 4・90
(3)真野美咲(山形中央-中札内中出)   2・ 5・06
(4)奥秋智佳(白樺学園)         2・ 5・99
(5)森野こころ(駒大苫小牧)       2・ 6・01
(6)鈴木花梨(須坂創成・長野)      2・ 6・13
(7)下村璃々(八戸西・青森)       2・ 6・68
(8)河原莉緒(帯三条)          2・ 6・76
(10)木村咲映(帯南商)         2・ 6・91
(12)前田梓(白樺学園)         2・ 8・36
(13)小野寺日菜(帯南商)        2・ 8・50
(15)藤岡日菜(帯農)          2・10・61
(16)宮下愛菜(帯三条)         2・11・35
(19)藤井南帆(帯農)          2・12・66
(28)瀬戸梨々華(池田)         2・17・60
(34)井出依快(本別)          2・21・00

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