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帯広児童相談所 2020年度の児童虐待対応数287件 過去2番目の多さに

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 帯広児童相談所(児相、山谷信夫所長)が2020年度に対応した児童虐待は前年度比30件増の287件(速報値)で、過去2番目の多さとなった。年齢別では、乳幼児(0~3歳未満)に対する虐待が70件(前年度比10件増)と過去5年で最多を記録。同児相は「子どもの安全確保や虐待の未然防止のため、自治体など関係機関との連携が重要」としている。11月は児童虐待防止推進月間。

 年齢別で見ると、多かったのは小学生で106件(前年度比30件増)、3歳~就学前が56件(同3件減)、中学生33件(同3件増)、高校生・その他が22件(同10件減)。過去5年で最多だった乳幼児への虐待は例年、増加傾向にあり、21件だった5年前と比べ3倍以上になった。

 虐待の種別では、言葉による脅しや、子どもの目の前で家族に暴力などを振るう「心理的虐待」が195件と最多。子どもの体に傷をつける「身体的虐待」が59件、育児放棄や同居人の虐待行為を放置する「ネグレクト」が31件で、子どもへの性的暴力など「性的虐待」は2件だった。

 同児相によると、心理的虐待の中でも、子どもの前で夫婦げんかをする「面前DV(ドメスティックバイオレンス)」は半数を占め、全体の20~30%に上る。七條公英地域支援課長は「子どもにとってはショックが大きい。子どもの目の前での言い争いも虐待になることを、理解する必要がある」と指摘する。

 虐待者は実父が150件、実父以外は29件。実母は102件で、実母以外は0件。その他(親戚など)は6件だった。認知経路は警察が203件で、市町村や近隣、知人はそれぞれ10件、虐待を受けた児童本人は3件あった。

 同児相は20年度の状況について「現段階では、コロナ禍の影響で件数が増えたり、虐待内容が変わったりはしていないとみている」としている。

 同児相では現在、児童虐待専門の児童福祉司5人を中心に、基本的には計11人の児童福祉司が、通告を受けた子どもの安否確認などを行う。しつけに不安のある保護者への対応も含め、「虐待問題は児相が前に出ていきがちだが、関係機関で協力することが必要」(七條課長)と訴える。

 同児相は、虐待を見たり聞いたりしたときは、児童相談所虐待対応ダイヤル「189(いちはやく)」の利用を呼び掛ける。子どもに関する悩み相談は、専用ダイヤル「0120・189・783(いちはやくおなやみを)」で受け付けている。(石川彩乃)

児童相談所虐待対応ダイヤル 189
子どもに関する悩み相談 0120・189・783

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