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迫る衆院選 態勢固め着々と

党11区総支部の総会であいさつする石川氏(7月31日)

 衆院議員の任期満了(10月21日)まで約2カ月。年内に実施される衆院選に向けて、道11選挙区(十勝)で出馬する予定の立憲民主党現職の石川香織氏(37)と、自民党前職の中川郁子氏(62)の両陣営は臨戦態勢の整備を急いでいる。石川氏は今月中にも事務所を開設、中川氏は選対の核となる役員構成を固めた。新型コロナウイルスの感染状況を考慮しながら、徐々に前哨戦を本格化させる。

立民現職・石川氏「活動4年間の通信簿」
地道に支援者回り 石川氏

 石川氏は通常国会の閉会(6月16日)後、地元での活動を開始。夏場は地域の祭りや後援会の催しなど現職議員の強みを発揮する場面が多いが、感染症の広がりで大規模な集会は避け、地道に個々の支援者回りを続けている。

 少人数のミニ集会は計4町で開催、他の自治体にも広げる予定。SNSなども活用し住民との接点を作る。昨年秋に設置した十勝合同選対(本部長・野原一登元帯広市議会議長)は継続、今後、町村選対の整備を進める。今月末には帯広市西4南29で事務所開きを予定している。

 共産党は道11区での候補擁立を見送っており、前回同様、野党共闘の枠組みで石川氏を支援する見通し。石川氏本人は高収益作物次期作支援交付金の拡充などをアピールし、農村部への浸透を進める。

 石川氏は「今回は4年間の通信簿をつけてもらう選挙。政権の支持率は低下しているが、立憲民主党が上昇しているわけではない。強い危機感と使命感で活動する」と話している。

11日の集会で「頑張ろうコール」を行う中川氏

自民前職・中川氏「十勝のためバッジを」
つじ立ち1100回 中川氏

 中川氏は前回の落選後、街頭演説を続け、その数は1100回を超えた。全市町村であいさつ回りを展開。後援会幹部は「与党議員復活の待望論は強まっている」と語る。

 11日には帯広市内で党支部と連合後援会の合同会議を開き、選対本部長に十勝連合後援会の樋渡喜久雄会長を据えるなど三役人事を固めた。同日は党道連選対本部長の高橋はるみ参院議員が同行し、JAや経済団体などを回った。今後、与党の枠組みで公明支持層にも働き掛けを強める。

 ポイントは保守連携の行方。新党大地の鈴木宗男代表(参院議員、日本維新の会)は5月に中川氏を推薦しており、これと前後して中川氏は管内の「大地行脚」を展開した。最近は鈴木氏の導きで足寄での会合にも出席している。

 中川氏は新得スマートインターチェンジの事業前調査の選定など与党としての実績を強調。「一番の公約は『十勝のために頑張る』、これしかない。次はバッジをつけて仕事をやっていきたい」と語る。(衆院選取材班)

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