和田工務店技能実習生グエンさんが型枠2級に合格 管内で初めて
【芽室】和田工務店(芽室町、和田信仁代表)でベトナム人技能実習生として働くグエン・ヴァン・アンさん(29)が、型枠施工の随時2級(希望する時期に随時受検できる技能実習生向けの検定試験)に合格した。日本人と同様の実技試験を行う難関で、道内3人目、十勝では初めての合格。同社は「現場で活躍する貴重な人材。今回の結果は日頃の働きのたまもの」と喜んでいる。
グエンさんはベトナムの建設会社で働き、さらなる生活安定を求めて2016年に技能実習生として来日し同社で働いている。現在5年目を迎え、9月に終了する。
型枠工は、建造物でコンクリートを流し込む前の型を作る仕事。グエンさんは現場指揮の職長に次ぐ2番手として働く。
仕事ぶりについて和田代表は「どこか自分が若い時に、がむしゃらに働いていた姿を思い出す。仕事を覚えるスピードや熱意が、日本人とは桁違い」と太鼓判を押す。
国は技能実習生に対して、各職種で1年目で基礎級、3年目で随時3級、5年目で随時2級の受検を義務付けている。通常の技能検定と同様に実技試験を行い、筆記試験は形式を変えて実施する。
和田工務店の技能実習生は今月9日、型枠施工の技能検定を受け、グエンさんが随時2級、他の3人が随時3級に合格した。随時2級は、昨年、釧路管内釧路町の建設会社から2人が合格したのに続き、道内3人目の快挙という。
同社では、東京五輪・パラリンピックが近づいて建設需要が高まり多忙だった5年前から、グエンさんらベトナム人男性8人を技能実習生として受け入れている。
受け入れ時からグエンさんを見守ってきた芳賀雅樹総務課長は「初めて受け入れた時はどうすればいいか不安だったが、今ではベテラン社員から仕事道具を譲ってもらうほど、かわいがられている」と目を細める。
グエンさんは「実技試験は難しかったが、出来には自信があった。ベトナムに帰ることになると思うが、コロナ禍もあるので、将来のことは今後ゆっくり考えたい」と話している。(本田龍之介)
開発途上国の人材を最大5年間受け入れ、企業で働く中で得た知識や技能を母国に持ち帰ってもらうのが目的。十勝でも農業・建設などの各分野で受け入れが進んでいる。