白樺学園片山 プロ志望届
最速148キロ右腕「投手一本で勝負」
甲子園高校野球交流試合に出場した白樺学園の148キロ右腕・片山楽生(らいく)投手(3年)が7日、日本高野連にプロ志望届を提出した。チームでは通算14本塁打の主砲として活躍し、打者としての評価も高いが、プロでは投手としての勝負を望む。10月26日のドラフト会議で指名されれば、同校初のプロ野球選手となる。
「甲子園では100%アピールできたとは思っていない。少しでも成長したところを見てもらって(ドラフトに)引っかかってくれればと思っている」。片山は控えめな言葉でプロ入りを熱望した。
4強入りした昨秋の明治神宮大会で高校での全国デビューを果たし、プロだけではなく大学や社会人からも一気に注目を浴びた。新型コロナウイルスの影響による部活動自粛明けの6月も自信に満ちあふれていた。12球団が入れ替わりに視察に訪れる中、速球は常時140キロ台をマークし、最高速もどんどん更新した。ただ、知らず知らずのうちに疲労も蓄積し、投球フォームが崩れて調子を落とした。北北海道大会では初戦のクラーク記念国際(空知)に二回途中5失点を喫し降板。交流試合では力勝負を避けたとはいえ、最速は142キロにとどまり本来の力を発揮できないまま2年半の高校野球を終えた。
一時は社会人入りも考えたが、最終的に父宣孝さんらと相談し、これまで貫いてきた“プロ1本”の道を選んだ。「旬な時期があると思う。(ドラフト対象制限が明ける)3年後の保証はない。上位であろうと下位であろうと目指したい」と気持ちを整理した。
この日は母季美(すえみ)さんの誕生日。「たまたま重なったが、出す日がめでたい日となったので、何とかいい結果につながれば」。十勝の高校野球史に強烈なインパクトを残した世代のエースは、夢がかなう日を待ちわびている。(岡部彰広)
新エースは葛西「重圧力に」
白樺学園はこの日、12日から始まる支部予選のベンチ入り選手を発表した。背番号1は葛西凌央(2年)。「(片山投手の)後を継ぐのはプレッシャーだが、それをプレーに生かして注目を浴びる活躍をしたい」と意気込んだ。
前チームから強豪相手の練習試合で登板。甲子園交流試合も1イニング強投げて無失点と貴重な経験を積んだ。
新チームは5、6日の練習試合で3連勝し、通算4勝2敗。調子を上げている。「大会まで約1週間。これまでの経験を生かしたい」。片山同様、絶大な信頼を得るエースを目指す。