帯農初戦17安打大勝、黄金ユニホーム躍動 甲子園勝利へ好発進
高校野球の夏季北海道大会北北海道大会十勝支部大会は23日、帯広の森野球場でBブロックの準決勝などを行い、8月の甲子園交流試合に出場する帯農が初戦を迎えた。帯農は初回に3失点したもののその裏に猛打で7得点してすかさずに逆転、六回コールドの13―3で大勝し、夏の大会を好発進した。
(23日)
◇Bブロック準決勝
帯南商
300000 | 3
703201×|13
帯農
(六回コールド)
▽三塁打=江森、横山、村中(農)
▽二塁打=村尾(南)梶、江森、水上、前田、杉江(農)
初回に3点を失った帯農はその裏、2四球と内野安打で1死満塁から、菅の押し出し四球に千葉央の三遊間を抜く2点適時打で同点。その後も梶の左越え適時二塁打や江森の適時打となるバント安打など、打者12人で7点を挙げた。三、四回にも長打攻勢で加点と攻撃の手を緩めなかった。
帯南商は初回、小野、工藤の連打に村尾の死球などで1死満塁から、中屋の内野ゴロで先制。田村の内野ゴロは悪送球を誘って2点を追加したが、帯農の3投手に散発の4安打に抑えられた。守備は5失策し失点につながったものの、相手の猛打に対し全力プレーを貫いた。
主役の3年生 実力発揮 「仲間信じてプレー」
帯農の打力は健在だった。6回17安打で13点を奪い、選抜大会のために新調した黄金色のユニホームによる最初の試合を飾った。
独自大会とはいえ、夏の初戦は独特の雰囲気だ。初回に失策絡みの3点を失い、前田康晴監督も思わずはっとしたが、その思いはすぐに杞憂(きゆう)に終わった。
昨秋は2桁の背番号だった選手が奮闘した。初回、「体は小さい(164センチ)が大事なところでチームを鼓舞してくれる」(前田監督)という江森誠祥(3年)がバント安打で好機を拡大。さらに今大会前の北照(小樽)との練習試合で3安打固め打ちなど「最近、打で覚醒した」と同監督が驚く千葉央喜(同)が同点の2点打を放つと、一気に勢いがついた。
今大会は3年生が主役となる大会。初戦はベンチに入った13人の全3年生が出場した。昨秋6割6分7厘のスラッガー水上流暢も3三振ながら左越えの適時二塁打を放てば、昨秋4番の前田愛都も途中出場で三塁線を抜く二塁打など、ずっと1桁番号だった選手たちも負けじと活躍した。
「3年生がこの2試合で力を見せなければならないという意味では、緊張感がある試合だった」。そんな中でまずまずの結果が出たことに前田監督はほっとした表情。
井村塁主将(同)も、目標とする北大会優勝や甲子園交流試合での勝利に向けて大事な初戦を突破したことに「3年間一緒にやってきた仲間を信じてやっていきたい。帯農の野球っていいなと思われるプレーをしたい」と前を見据えた。
◆高校野球
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・帯広農業 13-3 帯広南商業-勝毎電子版特設ページ