帯広市 解体工事中の総合体育館からアスベスト見つかる 追加の除去費用を6月議会に提案
帯広市の旧総合体育館(大通北1)の解体工事で、建物内部から発がん性物質のアスベスト(石綿)が見つかったことが3日までに分かった。市は、除去に掛かる追加費用1億2000万円を盛り込んだ一般会計補正予算案を10日開会予定の市議会定例会に提案する。解体跡地の駐車場整備などを含めた当初の解体・外構整備費3億5000万円から大幅な増額となる。
市は、2月にオープンした新総合体育館の整備と運営、旧施設の解体を、特別目的会社「とかちウェルネスファーム」(SPC)に一括して委託している。市によると、同社が3月上旬に解体工事の事前調査をしたところ、第1体育室の天井にアスベストを含む耐火断熱材が貼られていたことが判明。天井全体に及ぶため追加の除去工事が必要となった。
旧施設は昨年末まで一般利用していたが、安全性について市は「断熱材の飛散性はなく、アスベスト濃度測定の結果からも危険性はなかった」(スポーツ課)と説明している。
市は、過去にアスベストの飛散対策は全て実施していたとの認識だったが、同社の報告を受け事態を調査。今回見つかった耐火断熱材は、建設時に吹き付けていたアスベストの除去工事に伴い、1982、83年度に施工していた。
市は「想定外で、積算すべきだったものをないものと認識していた」とし、追加費用を予算化。議決後に工事を始め年内に解体を終える方針。来春から跡地の外構整備に取り掛かり、現時点で来年9月の新総体全面オープンに影響はない。
旧施設では、第2・3体育室の梁(はり)などにも飛散の危険性が最も高い「レベル1」の吹き付けアスベストを含む建材があるが、既にビニールなどで囲い込む飛散防止策を講じている。こちらは当初の解体費に盛り込まれており、工事は6月中旬までに終える予定。(岡田優人)