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事故で親戚亡くした坂本さん、警察官に 「被害者に寄り添える人に」

初任地に帯広署を希望し、「生まれ育った十勝で恩返ししたい」と意気込む坂本さん

 小学生のころ、親戚を交通事故で亡くした音更出身の坂本百代巡査(25)がこの秋、帯広署に配属された。学生時代から憧れながら、何度も採用試験の壁にはね返された。「被害者に寄り添える人になりたい」。今月2日に帯広市内の柏林台交番で、念願の警察官人生をスタートさせた。

 警察官を志すきっかけになったのは、2002年6月に足寄町の国道で起きた車の衝突事故。相手方の無謀運転で、親戚の二川清さん=当時(42)=ら4人が亡くなった。毎月遊びに行く親しい仲だっただけに「元気だった人が1人のスピード違反で命を奪われる」ことにショックを受けた。

 だが、後に母から「二川さんの奥さんは、事故を担当した警察官の温かい対応に『うれしかった』と言っていた」と聞き、警察官への憧れを抱いた。

 伊達市で過ごした高校時代には、車とぶつかる事故に遭った。当時は下宿暮らし。心細かったが、現場に駆け付けた男性警察官が優しく声を掛けてくれ、「人に安心を与えられる職業なんだ」と憧れを強くした。

 ところが、大学生と大学院生時代に受けた道警の試験に失敗した。それでも両親には「人のためになる仕事がしたい」と熱意を伝え続け、卒業後は銀行員として働きながら、5回目の挑戦で夢をかなえた。

 警察人生を前に、「実際に被害者を前にしたら、声を掛けることしかできないかもしれない」との不安もある。しかし、自身の経験から「気に掛けてくれる人がいるだけで、きっと心は軽くなるはず」。(高田晃太郎)

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