リアルな踏切に世界が注目 清水旧羽帯駅模型動画が視聴1300万回超
【清水】清水町羽帯の増田秀則さん(54)が、自作したJR根室線旧羽帯駅のジオラマの動画をネットで公開したところ、1年間で視聴回数が1300万回を超えた。「踏切が昇降するだけの動画で、何がウケたのだろう」と本人は首をかしげるが、駅周辺を忠実に再現した精巧な作りは、往事を知る者のみならず全国、世界から注目されている。
増田さんは幼少から鉄道模型が趣味で、現在は狩勝高原エコトロッコ鉄道の運行に携わる傍ら、制作を続ける。こだわるのが縮尺で、鉄道模型の「Nゲージ」に合わせて150分の1サイズのジオラマを作る。現地での計測やネット上で収集した写真も駆使し、例えば駅舎の壁板の幅まで正縮尺を守る。
ジオラマを列車が走る様子など、鉄道関連の動画をユーチューブにアップしている。注目されているのは、同駅前の踏切をさまざまな角度から撮影した約1分の動画。遮断機の前で停車するバスや通過する列車など、昨年3月のダイヤ改正で同駅が廃止されるまではありふれていた日常が映し出されている。
昨年7月14日に公開し、再生回数は4日午前現在で1302万回を数える。増田さんは約60本の動画をアップしているが、他は多くとも6万回程度で、注目度は桁違いだ。コメント欄には「田舎の感じがめちゃくちゃりある」「もう本物じゃん」、海外からも「ベリー・リアリスティック!」など称賛の言葉が並ぶ。
増田さんは「確かに踏切が好きな人はいて、エコトロッコでも踏切に向かって駆け出す子どもは多い。本州あたりでは踏切が少なくなってきているからだろうか」と分析。ただ、「世の中にはもっとすごい物を作る人がいっぱいいるんだけど…」と不思議がる。
かつては関心の中心は車両だったが、近年は廃線や廃止される駅とその周辺の再現に熱を入れる増田さん。「なくなることは止められなくても、鉄道が輝いていた時代の風景を形に残しておきたい」と話す。
動画のタイトルは「【Nゲージ鉄道模型】自作踏切完成(情景付)」。
◆動画
・【Nゲージ鉄道模型】自作踏切完成(情景付)-YouTube