停電で工場が操業できず 再開のめど立たず困惑
十勝管内に拠点をもつ企業の大規模工場が、停電の影響で操業できない状況に追い込まれている。全面復旧する見通しが立たない現状を前に、各社は今後の生産態勢に不安を募らせ、工場の早期再開に向けて気をもんでいる。
六花亭製菓(帯広)では停電発生直後から本社工場を全面停止している。直営店の一部で営業しているが、従業員の大半は自宅待機中。通電再開後には復旧作業も必要で、工場再開のめどは現時点で立っていない。柳月(音更)でも工場と全店舗が営業を停止しており、再開については現在検討中だ。
自動車部品などを製造するパナソニックスイッチングテクノロジーズ(帯広)では、自家発電で電力を確保し、工場の一部ラインのみ操業を続けるが、従業員の多くは自宅待機している状態。停電が長引けば今後の供給体制への影響も懸念され、「早期に復旧してもらいたい」(同社)とする。
管内の食品加工工場でも多くが同じ状況だ。乳業では雪印メグミルク、明治、浦幌乳業の3社の工場で通電しておらず、生乳の受け入れを見合わせている。復旧の見通しは立っていない。明治広報部は「十勝の工場で作った製品を原料とする別の工場にも影響が出てくる」と懸念する。
一方、よつ葉乳業十勝主管工場では、自家発電を使い、通常通り乳製品を製造している。自家発電用の燃料も手配しており、当面は稼働できるという。
乳業以外では日本罐詰十勝工場やカルビーポテト帯広工場でも操業停止が続く。日本罐詰はスイートコーンの加工まっただ中。適熟のコーンを刈り取ることができないほか、停止が長引くと200人超のパート従業員を再び招集できるかにも不安を抱える。(長谷川正人、伊藤亮太、澤村真理子)