車いすラグビー活動充実選手3人にサポーターも3人登場
車いすラグビーの十勝の選手が今年3人に増え、サポーターも3人登場して活況を呈している。これまで12年間、1人で活動してきた帯広の上野文士(ふみと)さん(34)=所属チームは北海道BigDippers=は「充実した練習ができる」とチームの日本一奪還に燃え、6月から選手になった加藤義隆さん(45)=SILVERBACKS、士幌町職員=と米澤大さん(45)=同、帯広市・NPO法人理事長=は、同じ障害を持つ仲間との交流を励みに全国大会での初勝利を目指している。
「ガツン」「ガツン」。競技用車いすの金属製バンパーが激しくぶつかる。3選手と、各選手が所属する札幌の2チームの選手が加わっての合同練習が23日、士幌町総合研修センターで行われた。6月から競技を始めた米澤さんは、四肢まひと体幹機能障害があるが車いすで躍動、得点した。「自由に動けて楽しい。同じ障害を持つ仲間から日常生活での体の使い方も教えてもらっている」と言う。
加藤さんは車いすカーリングで活躍する障害者アスリートだが、車いすラグビーはサポートのプレーヤーとして各チームの練習を支援してきた。今年、障害程度の審査を受けて「選手」と認められ、米澤さんと共にSILVERBACKSの一員として日本選手権のグループ予選(9月・福岡県)、プレーオフ(11月・岩見沢市)に出場、奮闘の末に最下位だった。タックルで相手の車いすを転倒させることもある競技の激しさに「はまった。全国でまず1勝を」と意気込む。
上野さんは2014年の日本選手権で優勝した北海道BigDippersの選手で広報も務める。毎日練習に打ち込むが「これまで十勝では1人で黙々と車いすでの走り込みしかできなかった。やっとラグビーらしい練習ができるようになった。12月の日本選手権で再び優勝を。もっと仲間を増やしたい」と語る。
サポーターで参加している鹿追町の三好拓也さん(38)=理学療法士=と冨田尊(たける)さん(24)、帯広の車いすカーリング選手の坂口陽子さん(46)は「選手の笑顔と迫力がいい」と、車いすのタイヤのパンク修理や選手の体のケアなどで支えている。
練習は帯広市(火曜)、鹿追町(水曜)、士幌町(木曜)などで行っている。問い合わせは上野さん(メール=bundo@hotmail.co.jp)へ。(横田光俊)
〈車いす(ウィルチェア)ラグビー〉 バスケットボールと同じ広さのコートで、バレーボールの球を使い、パスまたは膝の上にボールを載せてゴールに運んで得点する。4人対4人で行い、車いす同士のタックルが認められる。日本は昨年のリオパラリンピックで銅メダルを獲得した。