上士幌の事例全国に呼び掛け ふるさと納税で野田総務相
【上士幌】野田聖子総務相は21日、ふるさと納税について、視察した上士幌を含む全国の寄付金を活用した好事例をまとめ、全国に広める考えを示した。ふるさと納税による起業家支援も求めていくとし、10月をめどに施策を示す。
野田総務相は、町認定こども園「ほろん」やナイタイ高原牧場などを視察し、地域おこし協力隊とも意見交換した。上士幌の印象については「子どもを安心・安全に育てていくことに寄付金を集中的に充てられていることを感じた」と述べ、上士幌の取り組みを評価した。一方、課題としては「光ファイバーが整備されていないと聞いた。テレワークなどの努力に報いられるよう応援をしたい」と述べた。
今後、視察した内容をまとめ、上士幌の「子育て少子化対策夢基金」のような使途を明確にした活用法を周知し、全国で役立ててもらう計画。
起業家支援については、ふるさと納税制度を活用し、起業資金がない若者らを支援する仕組みの導入を自治体に求めていく。地方が窓口となり、移住定住の促進を図ることで、地方からの人口流出を防ぐ狙い。野田総務相は「やる気のある人との橋渡しをふるさと納税でできれば」と述べた。
ふるさと納税の成功事例として野田総務相からお墨付きを得た竹中貢町長は「若い世代の移住はふるさと納税が実現させてくれた。今後も他の自治体にも可能性を信じてもらえるような取り組みを進めていきたい」と述べた。
また野田総務相は、4月に総務省から全国の自治体に出された、返礼品を寄付金の3割以下にすることなどを明記した通知について、「通知は、ほごにするつもりはない」と撤回しない考えを示した。(川野遼介)