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競り人卵、帯広地方卸売市場の岡坂さん

野菜部スタッフとして奮闘する岡坂さん(左)。「早く一人前になり、いつかは競りを担いたい」

 帯広地方卸売市場(高橋正行社長)に今春入社した岡坂美咲さん(23)が、同市場では18年ぶりとなる野菜部の女性新人スタッフとして奮闘している。補佐役ながら、男性職場のイメージが強い「競り」の現場にも立ち、ゆくゆくは女性ではまだいない「競り人」の資格取得を目指す。「毎日大変だが、早く先輩たちのように一人前になりたい」と張り切っている。

 岡坂さん(帯広市在住)は1994年生まれ。高校まで県内で過ごし、帯広畜産大学(畜産学部)に入学した。在学中はカヌー部で活躍し、4年間、自然を満喫した。「幼少期からずっと北海道の自然に憧れていたが、実際過ごしてもイメージ通り。特に十勝は暮らして好きになり、離れたくなかった」と話す。

 市場を志したのは「食に関わる仕事に興味があり、流通の現場を広く見たかったから」。とはいえ、市場の朝は早く厳しい。野菜は水産より取引開始時刻が遅いが、それでも午前5時出社。買受人間の競りや、1社と値決めをする「相対」も含め、朝の取引を終えた後、重い箱詰め野菜を荷分けし、各社のトラックまで台車などで運ぶ。データ管理などのため、パソコンに産地やサイズなど細かく分類された品目コードを入力するのも仕事だ。

 現在は少しずつ担当品目を持たせてもらい、先輩に付いて作業。競り人を補佐する「帳場」担当としてもデビューを果たした。「毎日、覚えることばかり。あっという間に時間が過ぎる」と苦笑いする。

 同市場の野菜部の女性新人スタッフは過去、99年の入社で1人いた(現在は退社)が、岡坂さんはそれ以来。帯広では女性ではまだいない「競り人」の資格取得(3年以上の実務経験が必要)を目指し、日々奮闘する毎日だ。

 上司に当たる小澤直樹野菜担当取締役は「ベテラン買受人を相手に競りを行うのは技術や度胸もいるので大変だが、目標を持つことは重要」とし、岡坂さんも「プライベートも仕事も充実させ、夢に向かって頑張る」と話している。(佐藤いづみ)

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