2年ぶり「大臣賞」復活 帯広記念
ポスターは間に合わず
帯広市が主催するばんえい競馬で、今年度の重賞レース「帯広記念」(来年1月2日)の優勝馬の馬主に提供される「農林水産大臣賞」が、約2年ぶりに復活する。昨年度、元男性騎手らによる馬券購入問題を受けて辞退していた。同様に最高峰の重賞レース「ばんえい記念」(同3月20日)も冠名が戻る見通し。
同賞は農水省が中央・地方競馬の主要レースに提供しており、ばんえい競馬では中央競馬のG1レースに相当する帯広記念とばんえい記念のみ贈られていた。騎手や調教師、馬主にとっては「大臣賞」の呼び名で常に目標とするレースに掲げられ、全国のファンから注目を集める一戦として人気が高い。
その一方で、昨年度は元男性騎手や元厩務(きゅうむ)員の計10人による馬券購入事件を受け、市は農水省から承認を受けていた同賞を辞退するなど、祝賀色の強いイベントを自粛。事件の発覚から約1年となる今月13日に全ての処分が終結したため、今年度については開催が差し迫っている帯広記念の申請が受理され、24日に市振興室宛に大臣名の賞状が届いた。
帯広競馬場内などで既に張り出されている帯広記念のポスターは今月中旬に刷り上がった関係から、「農林水産大臣賞典」の文字は印字されていない。ただ、ばんえい記念は現状だと申請が受理される見通しで、来年2月末に完成するポスターには印字される予定。同室は「冠名が戻ることにほっとしている。今年度も最強決定戦にふさわしいレースを期待したい」としている。(小縣大輝)