帯広の平山さん「鉄筋盆栽」考案
帯広市内で電気設備工事業を営む平山淳一さん(61)は、溶接で鉄筋をつないで作る「鉄筋盆栽」を考案し、話題を呼んでいる。5月には幕別町内の盆栽展示場で、2年前に完成させた第1作の展示を始めた。特許を出願中で、平山さんは「若い人にも盆栽を知ってもらうきっかけになれば」と話している。
鉄筋盆栽を始めたのは4年前。趣味の盆栽に取り組んでいるとき、仕事で扱った鉄筋を思い出し、「曲げたり、くっつけるのが簡単な鉄筋で盆栽を再現できるのでは」と思い付いた。
材料には直径10ミリ(長さ約5・5メートル)の鉄筋を使う。初めに、専用の工具で鉄筋を長さ2~3センチほどに切断。幹の部分は中が空洞になるよう、これらを筒状に重ねて溶接する。重ねる鉄筋の角度や向きを変えながらつないでいき、盆栽らしい幹の動きや太さを再現する。枝の部分も同様に鉄筋を溶接してつなぎ合わせ、その上から造葉を付ける。
厚さ約5ミリの鉄板をプレスし、組み立てた鉢の中にセメントと砂、水を混ぜたものを流し込んで固め、土の部分も細部まで作り上げている。
既に五つの鉄筋盆栽が完成。このうち2014年1月ごろに完成した最初の作品を5月から、幕別町相川の盆栽展示場(及川吉一代表、国道38号沿い)で展示している。高さ87センチ、横110センチ、重さは約200キロという大作。幹の植え付け角度や曲がり具合などにこだわり、何度も作り直すなど、半年がかりで仕上げた労作だ。
また、3~5日に帯広市内のとかちプラザで開かれた日本盆栽協会帯広支部の「第39回盆栽展」に別の1点を出品。「すごい」「どう作るのか」などと来場者から大きな反響があった。平山さんは「どこまで本物の盆栽に近づけるかが、これからの課題」と話し、今後の作品作りに意欲を見せている。(中島佑斗)