真冬にクマの足跡発見 幕別新川
【幕別】8日午前10時ごろ、幕別町新川の無職紺野隆幸さん(70)が自宅そばの道でクマの足跡(縦18センチ、横15センチ)を目撃したと帯広署に通報した。同署などによると、現場には東方向へ約8メートルにわたってクマの足跡が点々と残っていた。人畜被害はない。専門家は冬眠から目覚めたか失敗したクマとみており、「餌に困って、空腹でいら立っている可能性がある」と注意を呼び掛けている。
紺野さんによると、クマの足跡は5日正午ごろ、妻スミ子さん(68)が自宅玄関から約10メートルのごみステーションの南側にクマの足跡があるのを見つけた。最初は周囲に伝えなかったが、気になって8日に隆幸さんに相談した。
紺野さん夫妻によると、数年前に自宅周辺の高台や川沿いにクマが出没したことはあった。ただ、今回のように自宅そばに出てきたことはなく、真冬という例もなかった。昨年末にはクマの姿を見たのか、愛犬が2時間以上にわたってほえ続けたこともあった。
クマの生態に詳しい帯広畜産大の柳川久教授=野生動物管理学研究室=は真冬のクマ出没について、「1年で最も寒いこの時期にクマが出てくることは普通はない。少雪などの影響による何らかのアクシデントで冬眠から目覚めてしまった可能性がある。最初から冬眠できていない個体なのかもしれない」とみる。柳川教授によると、現場はクマの出没があまりない地域。足の大きさから、若いクマとみられる。
同署などは近隣住民に注意を呼び掛け、ハンターらが警戒している。(関根弘貴)