出会いカタチに 更別農高の菅さん毎日農業記録賞で優良賞
【更別】農・食・環境への思いや体験をつづる全国作文コンクール「第43回毎日農業記録賞」(毎日新聞社主催)の高校生部門で、更別農業高校の菅綾華さん(18)=生活科学科3年=の作品「出会いをカタチに~新たな地元特産品開発を目指して~」が、道内唯一となる優良賞を獲得した。菅さんは「高校生活の最後に大きな賞を頂けてうれしい」と喜んでいる。
同コンクールは1973年に始まり、賞を通して農業分野や食への関心を高めてもらうとともに農業従事者らを応援している。今年は全国から高校生部門に920点、一般部門に219点の応募があり、菅さんの作品は北海道の地区審査を突破していた。優良賞は最優秀賞などに続く第4席に当たり、高校生部門では41人が受賞した。
菅さんは、「さらべつすももの里」(村管理)のスモモの実を使った商品など特産品開発に取り組む同校加工分会A(大和田恭平教諭、生徒10人)で班長を務めており、作文では人との出会いから得たものを商品化していく活動の楽しさを記した。「埋もれた原材料は必ずある」。元東武百貨店のカリスマバイヤー内田勝規さん(東京)の言葉が次のプロジェクトへ視点を変えるきっかけになったといい、現在は同分会として生産量日本一を誇る村産の大手亡豆を使った商品開発にも取り組む。
開発の過程ではさまざまな職種の大人と出会い、アドバイスを受けて壁を乗り越えながら「可能性や真の充実感を教えられた」という。菅さんは「受賞は励みになる。高校での経験を卒業後の進路でも生かしたい」と話している。毎日新聞社の筑井直樹北海道報道部長が24日、同校を訪れ、表彰状を伝達した。
(小寺泰介)