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施設入居者のマイナンバー、扱い困った

 国民に12桁の番号を振り当てることで、税や社会保障など行政事務の効率化や利便性の向上を図ることが目的の「マイナンバー制度」は、施行から2カ月が経過した。番号は原則、各個人で管理するが、認知症患者らが入居する管内の介護施設などでは、自ら管理が難しい入居者の番号の扱いについて、独自に対応を求められている。 

 介護施設に住民票を移した入居者の中には、高齢や認知症で判断能力が低下し、自身でマイナンバーを管理することが難しい人もいる。こうした施設利用者らのマイナンバーの取り扱い方法について、厚生労働省は10月中をめどに通知する予定だったが、8日時点で通達は届いていない。

 市内の社会福祉法人帯広太陽福祉会が運営する特別養護老人ホーム太陽園(大正町西1線、杉野全由施設長)では、定員100人のうち、同施設に住民票がある29人全員に通知カードが送付された。25人には家族、残り4人には後見人がおり、このうち2人は家族に渡したという。同会の谷正三常務理事は「他の通知カードは未開封のまま金庫に保管してある」と言い、杉野施設長は「できるだけ家族や後見人に渡していきたい」と話している。

 社会福祉法人博愛会が運営する地域密着型介護老人福祉施設・小規模多機能型居宅介護事業所「コムニの里おびひろ」(東9南13、三杉由美総合施設長)でも「開封せずに保管している。身寄りのない利用者はいないので、利用者の家族に、受取証書を書いてもらって手渡ししている」(三杉総合施設長)という。

 帯広市役所保健福祉部介護保険課では、11月末までに管内事業所から数件の問い合わせを受けた。同課の下野一人課長は「ルールが届いていない以上、行政として明確な指示は出せない。相談を受ける形で、対応している」と話し、国に対しては「扱いに関するルールを早く知らせてほしい」と困惑した様子。

 行政に相談しているが、“独自”のマイナンバー管理には施設側も不安を抱えている。「詳しいルールが通知されるまで、マイナンバーの扱い方は明文化しない」(三杉総合施設長)と細心の注意を払った慎重な取り扱い姿勢を崩さず、早期の管理方法の通達を望んでいる。(大木祐介)

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