チョウザメ料理の提供始まる 鹿追
【鹿追】町内飲食店の一部で事前予約によるチョウザメ料理の提供が行われている。刺し身や天ぷら、空揚げなどのメニューがそろっており、飲食店では「癖のない上品な白身の魚肉。脂ののったこりこりとした食感を味わってほしい」と新たな特産グルメとしてPRしている。
チョウザメは、卵のキャビアが世界三大珍味として有名だが、魚肉もタイやヒラメのような上品な味わいから西洋では「ロイヤルフィッシュ」、中国でも「煌魚(エンペラーフィッシュ)」と呼ばれるなど高級食材として珍重されている。
町は環境保全センターバイオガスプラント(中鹿追)の余剰熱を利用して2014年からチョウザメの養殖に取り組んでいる。これに呼応して町商工会(三井福成会長)を主体とした町チョウザメ研究会(会長・三井商工会長)が立ち上がり、先進地視察などを通して料理や加工品の研究など特産品化に向けた活動を続けている。
キャビア採取は雌の成長を待って3年後になるが、雄はすでに研究会による試食会や町のイベントなどに出荷し、調理されている。
今回、チョウザメ料理の提供を始めたのは同研究会会員でもある上嶋幹雄さんが経営する「びっくり寿司」(東町1ノ18)と、大塚佳輝さん経営の「心喜一天」(新町2ノ12)の2店。ともに会員向けや一般町民向けの試食会で腕を振るっている。
びっくり寿司では、生にぎり、刺し身、しゃぶしゃぶ、皮の酢のもの、天ぷら、軟骨空揚げ、おじやをセットにした「チョウザメ御膳」を用意。5人以上の注文で受け、人数によって3000円~4000円(税抜き)で提供する。このほか、宴会料理の中にチョウザメ料理を単品として加えることにも応じる。
チョウザメ御膳を味わった人は「刺し身は脂がのってこりこり感がある」「しゃぶしゃぶはふわっとした食感で、こくもある」などと好評。上嶋さんは「おいしくて、どんな料理にも合う非常に使いやすい食材」と太鼓判を押す。
心喜一天でも造りや鍋、空揚げ、天ぷら、酢の物などのコース料理で提供する。
両店とも身の臭みを取るための餌(え)止め期間が必要で、食事日の10日前までの予約が必要。大塚さんは「常時、単品メニューで提供したいところだが、現状では難しく、予約、相談をお願いしたい」としている。
問い合わせ、予約は、びっくり寿司(0156・66・2941)、心喜一天(0156・66・1710)へ。(大野篤志)