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高根プロゴルフテスト合格、管内3人目

念願のプロゴルファーとなった高根隆佑と、指導者の佐藤三夫さん(左から)

 音更町出身の高根隆佑(りゅうすけ、20歳)=神戸市在住=が、1日から4日まで登別カントリー倶楽部(登別市)で行われた日本プロゴルフ協会(PGA)のトーナメントプレーヤーのプロテストに合格した。十勝出身者のプロは15年ぶり3人目。帯南商高を卒業後、単身オーストラリアに渡り、1年半ゴルフアカデミーに通うなどの努力が実った。高根は「次はツアーで1勝を挙げたい」と意気込んでいる。

 管内のプロゴルファーは1994年に合格した大場美智恵、2000年の早川弘樹以来。

 高根は9歳で父の淳さん(55)の影響を受けて競技を始めた。小学5年から高校3年生までは帯広国際カントリークラブ(幕別町)のジュニア育成事業「OICジュニア」のメンバーとなり、無料でラウンドや練習を行い実力を蓄えた。数多くの全道大会を制し、高校3年時の国体では北海道代表選手に。個人17位、団体3位と活躍した。ただ、「全国大会のほとんどで成績は振るわなかった。このままではプロになれない」と環境を大きく変えることを決意。オーストラリア・クイーンズランド州のゴルフアカデミーを選んだ。

 13年4月から昨年9月までゴルフ漬けの日々を送った。午前8時からのショット練習に始まり、ラウンド、トレーニングを終えると午後8時。400メートル走は吐くほど厳しかったという。苦しかったが「なぜ自分はここに来たのか」と自問自答し、奮い立たせた。自身を分析し、一日ごとに目標を設定、練習に励んだ。

 帰国後は神戸市の六甲国際カントリークラブの研修生に。午前中はキャディーなどの仕事をし、午後にコースを回った。納得のいくスコアもプレーもできずに焦ることも。それでも「絶対に1年でプロになってやる」との一念で、1日10時間ほどの猛練習を課した。

 プロテストは7月末の2次から参加。481人がエントリーし、4会場に分かれてしのぎを削った。兵庫県のゴルフ場で受験した高根は、初日を76打で80位と出遅れたが、尻上がりに調子を上げて2オーバー25位タイでフィニッシュ。3オーバーの29位タイまでがクリアした。最終テストは各会場上位選手ら151人が参加。直前練習では「異常にショットの調子が悪かった」という。それでも9歳から9年間指導を受けた音更町在住のティーチングプロ、佐藤三夫さん(69)=ゴルフスクール経営=の教えを胸で反すうした。「調子が悪くても良いスコアを出さないといけないのがプロだ」。ショットに苦しみながらもアプローチやパターでしのいだ。4日間のスコアは73打、74打、70打、73打の31位タイ。49位タイまでの55人の合格者に入った。合格を確信していた最終ホールの約30センチのパーパット。難なく入れて「努力が報われた。応援してくれた多くの人の顔がよぎった」と振り返った。

 オーストラリアに快く送り出してくれた淳さんと母の珠緒さん(46)や、ゴルフ仲間たち。6日夜には佐藤さん宅に15人ほどが集まり、佐藤さんの妻の登喜子さん(68)の手料理に舌鼓を打ち、つかの間の休息を楽しんだ。

 来年のツアートーナメント出場には、今月末から始まる予選に当たるクオリファイングトーナメントを突破しなければならない。さらに厳しい戦いが続く。「狭き門なのは覚悟の上。志を持って戦っていく」と力を込める。次の大きな目標の東京五輪日本代表を目指し、精進するつもりだ。(北雅貴)

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