更別で長期農業研修 酪農学園大生
【更別】酪農学園大で今季発足した地域土着型サークル「まんまる」(菅原桃香代表、循環農学類2年)の学生が、長期休みを利用して村内に泊まり込み、農業研修などをしながら魅力を満喫している。イベントにも積極的に参加して新たな特産品開発などにも挑戦しており、学生ならではの視点で地域の活性化に新しい風を吹き込むことが期待されている。
道央圏の学生が気軽に地域と関わることができる仕組みを広げていこうと設立した北大発のベンチャー企業「Student&Country」(岩本淳兵代表、北海道大工学部3年)が、村民有志と「S&C更別村協議会」(井脇健治会長)を結成して全面的にサポート。
Student&Countryは、北大サークルとして活動していた以前に後志管内仁木町で「JA新おたる」との協働でトマトジュースを開発するなど実績があり、新たに他大学でも立ち上げるサークルの受け入れ先として村に滞在する態勢が整った。
酪農学園大の学生は、14日から延べ8人が最大3週間、空家で集団生活を送りながら同協議会の紹介を受けて農業研修を行っている。自転車を移動手段に使い、盆踊り大会などにも参加して村民との距離を縮めている。井脇会長は「若い大学生が更別の農業に興味を持って来てくれているだけでうれしい。日々自分たちの仕事の楽しさを再発見できる」と話す。
26日はジャガイモ収穫の繁忙期を迎えている井脇農場(上更別南13線)で、井上絵里加さん(獣医保健看護学類2年)と松本香織さん(循環農学類2年)が手伝いに入った。広い畑の中を走るハーベスターに乗り、規格外のものを間引きしていく。本州出身の2人は「こんなに規模が大きい農業は初めて。いずれは新規就農したいので、ゆっくり人との交流を重ねながら自分に合った土地を探したい」と力を込める。これらのジャガイモを使ったようかんや、あんにして入れた「たい焼き」も考え、試作を重ねている。
同協議会事務局は「村の資源と学生の興味、農家の後継者不足などのニーズがマッチングしている。お互いの関係をゆっくり育んでいけたら」としている。(小寺泰介)