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東京藝大附属音楽高校へ進学 大樹中の石黒龍一君

合格証を手に笑顔の石黒君(左)と伊藤さん

 【大樹】大樹中学校3年の石黒龍一君(15)が東京藝術大学音楽学部附属音楽高校(ピアノ専攻)に合格した。倍率4倍の狭き門を勝ち抜き、小さい頃からの夢だったピアニストへ一歩近づいた。石黒君は「学びたいことがたくさんあるので楽しみ。心に届く演奏ができるピアニストになりたい」と思いを新たにしている。

 石黒君は幼小の頃に両親から子供用のドラムを与えられ、3歳のときには父の正さん(46)がギターを務めるバンドで演奏。4歳でピアノを始め、小学3年の頃から帯広の伊藤夢里子さんの指導を受けている。これまでモスクワ国際カバレフスキーコンクール・グランプリなど国内外のコンクールで好成績を収めた。

 同高校の定員は1学年40人で、音楽家を目指す生徒が全国各地から集まる。一般教科や音楽関連科目の他、ピアノ、バイオリン、チェロなど各自が専攻する実技指導を受けられる。

 今年はピアノ専攻に47人が出願。受験は1月20~25日に同校で行われた。ピアノ実技(2日間)による1次選考を通過した16人が音楽の基礎的な理論の「楽典」や音を聴いて楽譜に書き取る「聴音」などの音楽科目と初見視奏、学科試験に臨み、12人が合格した。

 石黒君は昨年9月から平日は登校前や帰宅後に計3~4時間、休日は8~10時間をピアノの練習に費やした。受験に出発する前にはクラスメートの前で課題曲を演奏する機会も。一足早く“春”をつかんで大樹に戻った石黒君をクラスメートも教諭も祝福してくれたという。

 伊藤さんは「両親や友達をはじめ周囲に感謝しながら、これからも積極的に勉強してほしい」とエールを送り、母の順子さん(47)は「世界中の人に感動を与える演奏家になってほしい」と見守る。

 高校には千葉県の祖母の家から通学する。石黒君は「いつか大樹でオーケストラと共演し、お世話になった人たちのために演奏したい」と話している。(澤村真理子)


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