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清水御影2年ぶり全道Vに歓喜 小学生アイスホッケー

2年ぶりに全道制覇を果たし、人さし指で誇らしげに1位を示す清水御影の選手ら

 【札幌】アイスホッケーの第35回全道小学生選手権大会(道アイスホッケー連盟など主催)最終日は8日、月寒体育館で決勝を行い、3年連続で決勝に進んだ清水御影は、エースの五十嵐唯翔副主将(6年)の勝ち越し点を含む3ゴール1アシストなどで苫小牧1位のレッドスターズ(苫小牧)に4-2で逆転勝ちし、2年ぶり2度目の優勝を果たした。守りのミスなどから2失点したが、第2ピリオド以降は相手エースを封じる堅守に五十嵐の爆発的な得点力で一気に試合をひっくり返した。3位決定戦は広陽稲田ブルーインズが金曽駿太郎主将(同)のハットトリックなどでリードしていたが、第2ピリオド終盤以降に連続失点し、苫小牧Westアイスキングに5-9で敗れた。(岡部彰広)

敗戦生かし「守り徹底」
 この試合で再三繰り返されたシーンだった。試合終了残り1分。自陣からパックがエース五十嵐唯翔の手によって運ばれる。こうなればもう相手DFは止められない。敵陣で最後の一人をかわして流し込んだパックはGK右隅へ。この試合初の勝ち越し点は決勝点にもなった。この40秒後にはカウンターで上がった新居義騎(6年)が山本涼(同)のシュートリバウンドをねじ込みダメ押し。あとは試合終了のカウントダウンを待つだけだった。

エース封じの作戦
 作戦勝ちだった。課題としていた守りが機能し、相手の5年生エースを封じた。

 レッドスターズの安藤優作副主将はテクニック抜群でシュートセンスあふれる将来のスーパースター候補。昨年12月の練習試合で失った7点のほとんどに絡まれていた。しかし、その時の敗戦が守りへの意識を高める結果となった。「負けてよかった。弱いことが分かったから」(根本怜汰主将・6年)。

 安藤は今大会も準決勝までの3試合で21G(ゴール)13A(アシスト)。いかに中に入らせないかがポイントだったが、開始早々の動きが硬かった時間帯にゴール前に入られ、簡単に決められた。ただ、練習に裏打ちされた自信から下を向くことはなかった。「榛澤淳コーチからとにかく声を出して5人で守れと言われたのを思い出し徹底した」(根本主将)。気持ちを切り替えた。危ない位置からのシュートは少なくなり、GK須田泰斗(5年)も好守で支えた。

FW五十嵐全得点絡む
マークから反撃に

 第2ピリオドから安藤の滞氷時間が長くなるにつれマークする五十嵐と根本主将も必然的に長くなり、それに伴い攻撃の時間も増えた。12分すぎのパワープレーで自陣からスピードに乗った五十嵐が1点目を決めると、最終ピリオドには根本主将のシュートリバウンドを再び五十嵐が決め同点に。「(長く出て)疲れはあったが、抜いてやる-と燃えた。DFが2人いてもフェイクをかけて抜けたし、前のように体を抑えられても負けないよう膝をしっかり曲げてパックをキープできた」(五十嵐)。仲間の後押しもあり五十嵐はエース対決で圧倒、この試合で3G1Aを決め、3試合計15G3Aと十勝大会同様の活躍を見せた。

6年生活躍に笑顔
 「ここ3年の中で総合力は下」。こう近藤芳行監督が評していたチームがつかんだ栄冠だからこそ、大きな価値がある。今回は体調を崩していた山本涼が得点に絡み、左肩を骨折していた室崎健太、女子の青木優香と6年生6人全員が出場、「最後は集中してくれた」と近藤監督は大事な試合で頼りになるプレーをした最上級生の活躍に目を細めた。

 勝毎杯大会(24日から帯広の森アイスアリーナ)が凱旋(がいせん)試合となる。「6年最後の大会は、全道と同じく全てを出し切りたい」。こう根本主将が話すように、全選手が全道覇者の名に恥じないプレーで有終の美を飾るつもりだ。

<6年生ひとこと>
DF室崎健太(御影)
 骨折から復帰してほぼフルで出られて楽しかった。相手はぐんぐん攻めてきたが、絶対に止めてやろうと思っていた。1対1で抜かれなかった。

DF青木優香(同)
 相手が大きくてもチェックできた。すごい強い相手だったが、しっかり(ペアの)DFとパスコースを作れた。本当に優勝できるとは…。

FW山本涼(同)
 とにかくうれしい。バックチェックなどをしっかりできた。4月からやってきたことの表れだ。中学に行っても優勝したい。

FW新居義騎(同)
(ダメ押しゴールは)しっかり詰めることできた。2年前の優勝の時はインフルエンザでいなかった。今回は6年間の思いを出せた。

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