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白樺学園完封で3年ぶり全道V、高校アイスホッケー

優勝杯と賞状を手に、観客席へ向かって喜びを爆発させる白樺学園の選手たち(折原徹也撮影)

 【札幌】アイスホッケーの第67回道高校選手権(道高体連など主催)最終日は25日午前9時半から月寒体育館で決勝を行い、白樺学園がFW古川誠也(3年)の先制点を含む2つのパワープレーゴールなどで武修館(釧路)に4-0で完封勝ちし、3年ぶり2度目の優勝を決めた。この日が誕生日のGK高橋勇海(3年)も味方反則による3度の2人少ないピンチをしのぐなど、攻守にわたっての総力戦で武修館の反撃をしのいだ。白樺学園は3年生最後の大会となるインターハイ(来年1月・苫小牧市)で、シーズン無敗とともに3連覇を懸けて臨む。24日午後の準決勝は、2連覇中だった駒大苫小牧が武修館に0-3で完封負けし、10年連続の決勝進出を逃した。白樺学園は釧路江南の3倍の60本のシュートを放って5-1で逆転勝ちし、5年連続で決勝に進んだ。(岡部彰広、折原徹也)

先制で勢い 難敵撃破
 U18世界選手権(4月・ハンガリー)日本代表GKの武修館・磯部裕次郎(2年)の堅守をこじ開けたのは、同じU18メンバー3人を擁する第1セットだった。第2ピリオド8分すぎのパワープレーで、FW古川誠也が得意のゴール前混戦でたたき入れ先制。「代表で磯部はムードメーカーだった。調子に乗る前に点を取りたかった」(古川)とチームを勢いに乗せた。

 チーム結成以来、3度目の対戦。武修館は前回対戦の北大会前期決勝でゲームウイニングショット(GWS)で辛くも勝った難敵。主力3人がインフルエンザ、1人がけがで欠場しながら、準決勝まで3試合中2試合で完封勝ちと白樺学園に負けない堅守で勝ち上がってきた。

 白樺学園も守護神・高橋勇海(3年)を中心に3試合でわずか1失点。素早いプレッシャーと、ゴール前での分厚い連続攻撃で相手を圧倒してきたが「武修館と差はない。厳しい戦いになる。胸を借りるつもりでやる」と湊谷匡晃監督も警戒して臨んだ。

 武修館の速い出足からのチェックに、スピードのある本来の攻めが少なくなったが、「体力では負けないので2ピリから反撃できる。それまで我慢していこうと思った」。そう志賀祥樹主将(3年)が思い描いていた通り、第2ピリオドから敵陣でのプレーが多くなった。16分分すぎにはDF蓑島圭悟(3年)のシュートからゴール前混戦でFW三田村哲平(2年)が押し込み2-0、試合の流れをつかんだ。今大会3試合目の完封で18歳の誕生日を最良の結果で迎えたGK高橋勇海は「味方がいい守りをしてくれたおかげで、冷静にできた。次(全国)は全試合完封を」と胸を張った。

 ゴール前での泥臭い得点、決勝での無失点と、強敵を相手にしても白樺学園らしいホッケーで一皮むけた姿を見せた。試合後には湊谷匡晃監督も表情を崩したが「力の差はそうない。道のりは険しい」と再び強調した。理想の形での勝利を求めるとともにインターハイ3連覇へ向け、チームの成長を貪欲に求める。


◇決勝(25日)
白樺学園 4(0-0 2-0 2-0)0 武修館(釧路)

▽得点者
【白】
(1)三田村→古川(2P8分17秒)
(2)古川→志賀→三田村(2P16分49秒)
(3)古川→志賀→三田村(3P1分12秒)
(4)鈴木→阿部→蓑島(3P19分13秒)
▽反則
【白】10(古川2、阿部2、志賀、渡邉、川口、チーム、切江、齊藤)
【武】8(柴田2、松井、田中、山本、中村、高松、阿部)
▽シュート数
【白】42(10、20、12)
【武】29(9、9、11)


堅守崩せず3連覇逃す 駒大苫小牧
 3年連続28度目の優勝を狙った駒大苫小牧は、準決勝で武修館に敗退した。

 白樺学園とは今季3度戦ってきた好敵手だが、武修館の今大会屈指のGK磯部裕次郎(2年)の堅守にシュートは単発に終わることが多く、終盤に持ち前のスタミナを武器に畳みかけても点にはつながらなかった。逆に1人少ないショートハンドで2失点するなど試合の流れを引き寄せることができなかった。

 入倉大雅主将(3年)は「点が入らなくては勝てない。簡単に失点しないことと得点力を上げることが必要」。インターハイで最多28度の優勝をしている名門校。今回は完封負けしたが、“手負いの虎”は十勝勢にとっても大きな脅威となる。


◇準決勝(24日)
武修館 3(1-0 1-0 1-0)0 駒大苫小牧

▽得点者
【武】
(1)柴田→松井洸(1P5分20秒)
(2)府中→齊藤→澤出(2P56秒)
(3)松井洸→柴田→佐藤(3P17分39秒)
▽反則
【武】8(松井洸2、高松、府中、齊藤、チーム、柴田、中村)
【駒】6(金子嵩3、今、猪狩、チーム)
▽シュート数
【武】39(20、12、7)
【駒】38(13、13、12)


白樺学園 5(0-0 2-1 3-0)1 釧路江南

▽得点者
【白】
(1)古川→切江→輪島(2P4分53秒)
(2)古川→鈴木→三田村(2P11分20秒)
(3)川口→鈴木→阿部(3P5分46秒)
(4)蓑島→志賀→鈴木(3P14分16秒)
(5)蓑島→三田村→古川(3P16分42秒)
【釧】
(1)尾崎(2P3分9秒)
▽反則
【白】1(小堀)
【釧】5(高橋、小笠原、兼平、佐久間、中屋敷)
▽シュート数
【白】60(19、21、20)
【釧】20(5、10、5)


◇準々決勝
白樺学園 4(1-0 3-0 0-0)0 北海(札幌)

▽得点者
【白】
(1)高橋瞬→渡邉→清水(1P7分32秒)
(2)蓑島→古川→高橋瞬(2P1分20秒)
(3)志賀→古川→蓑島(2P5分34秒)
(4)古川→志賀→三田村(2P19分35秒)
▽反則
【白】5(清水、切江、蓑島、志賀、古川)
【北】6(高橋侑2、江良2、福島、廣田)
▽シュート数
【白】33(14、15、4)
【北】13(3、4、6)


釧路江南 5(3-1 0-2 2-0)3 北海道栄(白老)


◆第67回北海道高等学校アイスホッケー競技選手権大会について
大会概要および大会結果など-全道高校アイスホッケー競技選手権大会事務局ホームページ

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  • 優勝杯と賞状を手に、観客席へ向かって喜びを爆発させる白樺学園の選手(折原徹也撮影)

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  • 【決勝・白樺学園-武修館】白樺学園は第3ピリオド1分すぎ、三田村哲平(左)がバックハンドで技ありのゴールを決め3-0とする

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  • 【決勝・白樺学園-武修館】完封勝利で優勝を決め、チームメートから祝福されるGK高橋勇海(中央左の黒いヘルメット、折原徹也撮影)

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