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次期衆院選候補選び焦点に 石川氏上告棄却

2年ぶりに開催した自身の野遊会で、政治活動の継続を強調した石川氏(右)。2500人を超える支持者が集まった。左は香織夫人(今年6月、帯広市内で)

 生活の党の小沢一郎代表の資金管理団体「陸山会」をめぐる政治資金規正法違反事件で、収支報告書の虚偽記載罪に問われた元秘書の元衆院議員石川知裕被告(41)の上告棄却が決定し、禁錮2年、執行猶予3年とした一、二審判決が確定する。

次はワンポイント? 三津道議の名も 民主陣営
 石川知裕元衆院議員の二審判決が確定すると、選挙には3年間立候補できなくなる。政治活動継続の意欲を示す石川氏にとって、「次の次」の衆院選での復活を目指すことになる。しかし、民主陣営の次期衆院選候補選びを含め、道のりは不透明だ。

 前回の衆院選は2012年12月に実施。任期は4年で、早期解散がなければ次々期の衆院選には出馬できる計算だ。「上告棄却は不服だが、想定内。復活に向けたスタートラインにたどり着いた」。ある関係者は前向きに受け止める。

 そこで問題となるのが、次期衆院選の民主党の対応。現在は白紙の状態だが、石川氏支援を確認している民主と連合の幹部は、「不戦はあり得ない」と口をそろえる。「次々期に勝てる環境をつくれるかが判断材料」とし、石川氏復活を最優先にする考えだ。

 ただ、シナリオは描き切れていない。仮に若い候補を擁立した場合は次々期衆院選での対応が難しくなり、“ワンポイント”が望まれる。「実績や年齢を含め適任」とささやかれるのが、民主党帯広代表の三津丈夫道議(68)。関係者の1人は、三津を含め民主系道議の池本柳次(67)、佐々木恵美子(65)の3氏を指し、「3道議は入れ替わり時期にきている。若手が次期衆院選に出ても、救う手立てはある」と選択肢は幅広いと解説する。

 石川氏の香織夫人を推す声もある。「否定はできない」(関係者)とする一方で、石川氏本人は強く否定。支援団体も「香織さんなら応援できない。議席は個人のものではなく、有権者を軽視している」と切り捨てる。新党大地の鈴木宗男代表との関係から、釧路・根室管内の道7区を地盤とする同党の鈴木貴子衆院議員(比例道ブロック)がくら替えするとの噂も。大地としては石川氏の復活を望む立場で、関係者は「(貴子氏出馬は)あり得ない」とする。

 三津道議は次期衆院選について、「具体的な対応は来春の統一地方選の後になるだろう。あらゆる選択肢を検討したい」としている。

 「石川さんは『黒』と認定された。ボディーブローのようにじわじわ効いてくる」。“中川王国”の牙城を崩し議席を獲得した石川氏は掛け替えのない存在と認める支援者も、次々期衆院選で国政に復帰できるか不安視する。石川氏の試練は続く。

「納得できない」 石川氏
 上告棄却を受けて石川知裕氏は1日、「到底納得できる判決ではなく、これからも自らの無実を訴え、政治活動も継続していく」とコメントした。

 コメントで石川氏は「私自身は無実の罪によって不当な判決が一審、二審で下されたので、最高裁には良識ある判断を期待していたが、このような残念な結果となった」と心境を語った。

 石川氏は東京で上告棄却の連絡を受けた。上告棄却に対して異議を申し立てるかは、弁護士と相談して決めるという。石川氏は3日に帯広に戻り、午前中に市内で会見を開く予定。(池谷智仁)

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