杉浦初登板スタンドで家族応援「改めてすごい」恩師もエール
帯広出身のプロ野球選手で、東京ヤクルトの杉浦稔大投手(22)=国学院大-帯大谷高出=がDeNA戦で1軍初登板した10日夜、横浜スタジアム(神奈川県)には、帯広などから父幸男さん(51)ら家族、友人計10人が陣取り、6イニング全88球に声援を送った。杉浦投手は2月下旬のキャンプ中に右肘じん帯断裂と診断されて出遅れたが、ドラフト1位指名の名に恥じない投球を見せ、故郷で応援した恩師もエールを送った。
幸男さん、母真美子さん(49)に姉理央さん(24)=帯広市=らきょうだい4人、友人4人がヤクルトベンチのある三塁側内野席、セットポジションを取る杉浦投手のちょうど正面に当たる場所で応援した。
初回、先頭打者の打球が風に乗って右翼席に飛び込み、いきなりプロ初被弾。昨夏に甲子園に出場した帯大谷高の元主将で一番下の弟大斗さん(19)=帯畜大野球部1年=は「まずいんじゃないかと思った」。父幸男さんも「打ち取ったと思ったが、あれで入っちゃうのかな。何点取られるのか」と心配した。
しかしすぐに立ち直った。「打たれてかえってほぐれたのかも。兄の投球はプロで通用するんだな、すごいなと改めて思った」と大斗さん。冬にはアイスホッケー部でインカレ出場を目指しており「自分もまた頑張ろうと思った」と、兄の活躍を励みにする。
父幸男さんは「素直に『頑張れ』と応援しながら楽しく見ていた」。高校では自身もエースだっただけに、プレーヤー目線で「(六回2死で)山崎にカウント3-1からストライクを取りにいった球を打たれたのは残念」とも。「本人もいろいろと感じ取っていると思うが、次に生かしてほしい」と期待を寄せた。
恩師の網野元・帯大谷高監督は帯広から応援した。1週間前の4日に1軍に上がる報告を杉浦投手から受け、「こんなに早く投げられるとは思ってなかった」と初登板を待ち望んでいた。テレビのニュースやインターネットで結果や投球内容を知り「打たれた後にしっかり抑えるのは杉浦らしい」と懐かしんだ。
試合後に「ナイスピッチング」と電子メールを送ると、「次も頑張ります」と返信が来た。「本人は納得のピッチングをしたんだと思う。無理をしないで頑張ってほしい」とまな弟子の活躍に目を細めた。(岡部彰広)
◆杉浦稔大選手について
・杉浦 稔大-東京ヤクルトスワローズ公式ホームページ
・出場選手登録異動公示-東京ヤクルトスワローズ公式ホームページ
・無四球のコントロール-東京ヤクルトスワローズ公式ホームページ
・ルーキー杉浦投手が6回2失点の上々デビュー!-東京ヤクルトスワローズ公式ホームページ
・帯広出身のヤクルト杉浦1軍初マウンド 「次につながる」先発の役目きっちり-十勝毎日新聞電子版(2014/09/11)