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白樺学園高2年ぶり2度目V GWSで蓑島決める 全国高校選抜

【決勝・白樺学園高-駒大苫小牧高】1-1で迎えた第3ピリオド8分すぎ、白樺学園高のシュートリバウンドが志賀祥樹主将の右肩に当たり、そのまま勝ち越しゴールとなる

 【苫小牧】アイスホッケーの第9回全国高校選抜大会(日本アイスホッケー連盟など主催)最終日は10日、白鳥アリーナで決勝を行い、白樺学園高がゲームウイニングショット(GWS)の末に3-2で駒大苫小牧高を破り、2年ぶり2度目の優勝を決めた。白樺学園高はインターハイと合わせて6度目の全国制覇を成し遂げた。白樺学園は相手の倍近い54本のシュートを打って試合を優位に進め、終了17秒前に駒大苫小牧高に6人攻撃で追いつかれたもののGWS4人目の蓑島圭悟(3年)が決勝点を挙げた。大会には過去最多の29チームが出場した。(岡部彰広)


◇決勝
白樺学園高 3(1-1 0-0 1-1 延長 0-0 GWS 1-0)2 駒大苫小牧高

▽得点者
【白】
(1)蓑島→志賀→高橋瞬(1P18分34秒)
(2)三田村→古川→志賀(3P8分6秒)
(3)蓑島(GWS)
【駒】
(1)沖澤→永井(1P7分47秒)
(2)矢島→沖澤(3P19分43秒)
▽反則
【白】3(高橋瞬、古川、蓑島)
【駒】3(佐藤創、矢島、今)
▽シュート数
【白】54(14、19、19、1、1)
【駒】29(7、6、15、1、0)


速さ生かし主導権 全大会制覇へ決定力課題
 6人攻撃で追いつかれての延長で決着せず、GWSも規定の3人が終わり4人目に突入。緊張感がさらに増す中、GK高橋勇海(3年)が4連続セーブを決めると、直後にDF蓑島圭悟(3年)が相手GKの股間を冷静に抜く決勝ゴールを挙げ、熱戦に終止符を打った。

 昨季達成できなかった全大会制覇とインターハイ3連覇の目標達成に向け、幸先のよいスタートを切った。

 開始7分に相手DFからのシュートで先制を許したが「焦りはなかった」と志賀祥樹主将(3年)が話すように、序盤からパックの奪取や敵陣に切れ込むスピードなどで相手を上回り、ペースをつかんだ。第1ピリオド(P)終了間際のパワープレーで、フェースオフ直後のサークル付近から高橋瞬(3年)がシュートを決めて同点に追いつくと、さらに勢いが増した。

 第2ピリオド以降にはシュートがゴールポストやバーに当たるなど惜しい展開が続き、キルプレーで流れが変わる場面もあったが、相手ペナルティーショットではGK高橋勇が堅守。最終ピリオドにはシュートリバウンドが、ゴール前急襲のFW志賀主将の右肩に当たって入り、一時勝ち越した。

 宿敵の駒大苫小牧高には7月下旬の練習試合で4-0で完封したのに続く連勝となった。ただシュート数は相手の倍近い54本。勝敗がどちらに転んでもおかしくないGWSにもつれこんだことに、湊谷匡晃監督は「駄目ですね。これだけ打って(3P計)2点だけとは。負け試合。逆に駒澤はリバウンドをたたかせないなどしっかり修正してきた。さすがです」と相手をたたえるにとどまった。

 志賀主将も決定力不足が浮き彫りとなった試合に、優勝決定直後の歓喜から表情が一変。「うれしいが、今は目標(全大会制覇とインターハイ3連覇)を修正しないで済んでよかったという気持ち」と気を引き締めた。

 今季は全国中学校大会を制したメンバーらが最上級生となった注目の世代だが、地力のある駒大苫小牧高のように、ライバルはシーズンが深まるにつれ差を埋めてくる。志賀主将らが望む「(インターハイVの)いい形で終わりたい」との思いを達成するためには、差を保つのではなく、さらに広げる必要がある。

技ありゴール接戦に終止符 DF・蓑島
 白樺学園高はU-18日本代表DFの蓑島圭悟が、GWSで技ありの決勝ゴールを決め、チームを勝利に導いた。

 攻撃的DF。「高い得点能力と思い切りの良さがある」と湊谷匡晃監督に送り出された。最初は3人目として登場し、荒れた氷にパックをコントロールし切れず失敗。しかし4人目として立て続けに氷に立つと、今度は冷静に相手GKの股間を抜いた。「GKが座る(姿勢に入る)ので股下が空く」と会心の笑みを見せた。

 今季から志賀祥樹主将がDFからFWに転向した分、責任感が増した。「これまで志賀に頼りっぱなしだったが、(同じ3年の)渡邉謙太と引っ張っていきたい」と意気込む。

 DFだけの責任ではないとはいえ、4試合で7失点が今回の反省点。「つなぐのかクリアかキープか、はっきりとしたプレーをしなくては」とさらに守りの精度を高めていくつもりだ。

堅守を発揮GWS完封 GK・高橋
 危なげなかった。GWS全4本を止めて勝利に貢献した白樺学園高のGK高橋勇海(3年)は、「全部ぎりぎりまで相手(の動き)についていくように心掛けたのがよかった」と胸を張った。

 第3ピリオド4分すぎに味方反則からのペナルティーショットを防いだが、その後8分すぎまで相手ペースに。ここをしのげたのも大きかった。

 ただ、相手スクリーンでシュートの出どころが分からなかったとはいえ先制を許したことと、終了17秒前に6人攻撃で失点したことには悔いを残した。「肝心なところで止められなければ。倍打たれている相手GKと同じ失点数では駄目。常に安定したプレーと失点ゼロを目指す」と意気込みを示した。


◇3位決定戦
埼玉栄高 7(2-1 3-0 2-2)3 清水高

▽得点者
【埼】
(1)ハリデー→鶴見→松渕(1P9分44秒)
(2)松渕(1P15分57秒)
(3)矢島(2P1分39秒)
(4)ハリデー→松渕(2P10分51秒)
(5)上村→茂木→鶴見(2P13分36秒)
(6)鶴見(3P12分23秒)
(7)ハリデー→青木(3P18分10秒)
【清】
(1)坂下(1P2分6秒)
(2)京谷武→松久(3P3分44秒)
(3)大下→京谷充(3P13分26秒)
▽反則
【埼】5(松渕2、矢島、在家、青木)
【清】4(松岡、高橋、小菅、鈴木)
▽シュート数
【埼】28(10、11、7)
【清】46(14、18、14)


◆第9回全国高等学校選抜アイスホッケー大会について
試合予定・結果-日本アイスホッケー連盟

関連写真

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  • 志賀勝ち越し弾

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  • 再三の好守を見せた白樺学園高のGK高橋勇海

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  • 高橋同点弾

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