受賞の喜び語る 札幌で熊切監督会見
【札幌】モスクワ国際映画祭で最優秀作品賞受賞作の映画「私の男」を撮った帯広市出身の映画監督熊切和嘉さん(39)が12日、受賞後初めて北海道に戻り、札幌市内のシアターキノで記者会見に臨んだ。金色のトロフィーを初めて手に取り「想像通り重い」と充実した笑顔を見せた。9月に予定する帯広での上映に合わせて、故郷・帯広に凱旋(がいせん)する予定。
熊切監督は「受賞の瞬間は台湾の映画祭にいた」とし「たくさんの祝福の電話、メールなどをいただいた。映画を撮ってみたいと思い始めた中学校時代の友人からが一番うれしかった」と明かした。「ローカルを突き詰めると新しいものを生み出せる。北海道を舞台に撮り続けたい」と意欲を見せた。
「私の男」は震災孤児の少女と父親役の男性の禁断の愛を描いた作品。モスクワ映画祭で「最も過激な作品」と称された評価に、同監督は「現地の会見では宗教観などさまざまな質問を受けた」と振り返った。一方、「誰からも祝福される恋愛は興味がない。光が当たらない所に光を当てたい」と世界観を披露した。
センセーショナルな題材だが「今までの作品で自分の作風はわかってくれているはず」とし「色眼鏡なしで観てもらいたい」と述べた。今作は紋別市などで撮影したが「(北海道には)描かれていないこともたくさんある。また、北海道で撮ってみたい」と故郷への思いを語った。
(原山知寿子)
◆熊切さん監督作品「私の男」について
・映画『私の男』-公式ホームページ
・「私の男」全国公開 熊切和嘉監督インタビュー-十勝毎日新聞電子版(2014/06/14)
・遊楽ナビ「来月公開の熊切監督『私の男』主演浅野忠信さん」-十勝毎日新聞電子版(2014/05/23)
◆『熊切和嘉(くまきり かずよし)』
・熊切和嘉氏-ウィキペディア。日本の映画監督。北海道帯広市出身。
・熊切和嘉監督関連記事-十勝毎日新聞電子版
◆モスクワ国際映画祭について
・歴代最優秀作品など、モスクワ国際映画祭関連の情報-ウィキペディア