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省エネ新設備、風物詩“終煙” 日甜芽室

10月完成に向け、整備が進む芽室製糖所の新乾燥設備(金野和彦撮影)

 【芽室】日本甜菜製糖(本社東京、中村憲治社長)は今年度、芽室製糖所(町東芽室基線26)で省エネを目的とした新乾燥設備の整備を進めている。これまで排出していた水蒸気を回収し、砂糖製造時に出るビートの搾りかす(ビートパルプ)乾燥や糖液の濃縮工程に使う。年間の燃料は工場全体で11%、二酸化炭素(CO2)排出量は9%それぞれ削減できる。

 新設備は10月の完成を予定。冬の風物詩となっていた水蒸気の排出はこれに伴い、同月の製糖開始直後を最後に見られなくなる。煙突などの既存施設は当面、そのまま残る。

 水蒸気はビートパルプを乾燥させる際に発生していた。重油を燃焼させる直火式で乾燥させ排出していたが、新設備の完成で全て再利用され、乾燥工程からの蒸気は外に出なくなる。新設備の総事業費は約35億円。原油換算で年間5800キロリットル分を削減する。

 2013年産ビートでの製糖は4月で終了しており、現在は2つの大きな窯のような新設備の整備が進められている。中村社長は「国内では美幌に続く2番目の整備。環境対策は企業が生き残っていくために必要」と話している。
(眞尾敦)

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