十勝でも追悼 東日本大震災から3年
【浦幌・大樹・幕別】東日本大震災から丸3年の11日、十勝管内では各地で避難訓練や追悼の催しが行われた。各学校でも児童・生徒が犠牲者の冥福を祈り、震災の教訓を踏まえた地域防災の大切さに思いを寄せた。
地震想定し避難訓練 厚内小
○…太平洋沿岸部にある浦幌厚内小学校(吉藤清孝校長、児童8人)では午前中、防災教育と避難訓練が行われた。
同校では大震災のあった3月を「防災教育の日」と定め、自分の命は自分で守る防災教育に力を入れている。避難訓練は、午前11時12分に震度6強の地震が発生したとの想定。校庭にある防災無線塔のスピーカーが鳴り、校舎内にいた子供たちは非常口で携帯バッグを背負い、学校から約800メートル離れた町指定の非難場所へ一目散で走り、6分弱で到着した。
広尾羽飛さん(4年)は「津波が来るときは、安全を確かめながら早く走って逃げたい」と心構えを話していた。(平野明)
復興願い黙とう 大樹小、江陵高
○…大樹小学校(板谷裕康校長、児童278人)では午前10時すぎ、追悼全校集会「3・11を忘れない 自分の命は自分で守る」が開かれた。全校児童と教職員約320人で黙とうし、被災地の復興を願った。
板谷校長が震災について説明した後、宮城県大和町出身の澁谷淳一教諭が同県沿岸部の状況を伝え、「被災者がどんな無念を抱いているかも知って」と呼び掛けた。後期児童会長の川村ちかさん(6年)は「震災を忘れたら絶対に駄目ということを改めて感じた」と話した。(関根弘貴)
○…幕別町の江陵高校(鈴木譲二校長)では午前11時、1・2年生全211人が体育館に集まり、黙とうをささげた。
この時期の「進路ガイダンス」に合わせ、震災以降毎年実施している。若宮栄教頭が「被災者の多くが今も苦しんでいる。自分たちが置かれている環境を今一度、考えて」と述べた。
加藤りおなさん(2年)は「好きな部活動(バレーボール)を存分にできる幸せをかみしめている。幸せや震災について考える機会になった」と話した。(佐藤いづみ)