ビートの苗作り始まる
【中札内】十勝の営農シーズンの訪れを告げるビートの苗作りが始まった。砂糖の原料となるビートは育てた苗を畑に植える移植が主流で、農業者が育苗用のペーパーポット(紙筒)に種を入れ、ビニールハウス内で育てている。
約8ヘクタールでビートを栽培する中札内村共栄東4線の鎌田農園(鎌田和志代表)では、27日午前8時から10人で作業を始めた。育苗用のペーパーポットを開いて肥料を混ぜた土を詰め、種子を入れてさらに土をかぶせ、ハウス内に敷き詰めた。
苗は67万2000本(ペーパーポット480冊分)にもなり、28日までの2日間で作る。ハウス内である程度育ってから4月下旬に畑に移植する。
ビートは秋口の気温が低いほど糖度が乗るが、ここ4年連続で残暑の影響などを受けて低糖分が続いている。環太平洋連携協定(TPP)で砂糖の関税が撤廃されればビートは危機に立たされる。鎌田さんは「ビートは輪作に欠くことができず、作り続けたい。今年こそは高い糖分になってほしい」と願いを込めた。
十勝のビートの作付面積は2013年産で2万5387ヘクタール。全道の44%を占めるが、年々減少傾向にある。今年は国の補助金の見直しで作付面積減に歯止めが掛かることも期待されている。(眞尾敦)