雪不足で氷まつり準備が窮地に、大雪像制作のめど立たず 帯広
例年にない雪不足で十勝の冬の一大イベント「第51回おびひろ氷まつり」(31日~2月2日、帯広のまつり推進委員会主催)の準備が窮地に立たされている。会場となる帯広市緑ケ丘公園は7日現在、地面が見えている状況で、12日の雪の搬入開始を前に、大雪像などに使用する約4000トンの雪を確保するめどが立っていない。十分な雪が集まらなければ、雪像サイズや数の縮小も検討せざるを得ず、氷まつり実行委員会(火ノ川好信委員長)は異例の天候状態にやきもきしている。
今回の氷まつりは、帯広農業高校をモデルにした漫画「銀の匙(さじ) Silver Spoon」をテーマにした大雪像や、長さ約30メートルの滑り台、迷路などの制作を予定。10トントラック約400台分の雪を必要としている。
帯広測候所によると、年明け以降まとまった降雪はなく、7日午前8時の帯広の積雪量は平年の27センチを下回る11センチ。9日に雪が降る可能性があるが、多くの降雪は見込めないという。
過去にも雪不足は何度かあったものの、多額の輸送費をかけて、同市内岩内地区や他町村から運ぶなどで対応した。ただ、今冬は管内全域で積雪が少なく、その見通しすら立っていない。
メーンの大雪像を担当する陸上自衛隊第5旅団第4普通科連隊は8日に編成完結式を行い、足場づくりを開始する予定だが、境孝明連隊長は「雪が無いことには雪像づくりが危うい」と不安な様子。
実行委は10日午前中にも現地で今後の方針を協議する予定で、火ノ川委員長は「まとまった雪が降り、市民の目を楽しませるまつりが開催できれば」と、“恵みの雪”を祈っている。(高津祐也、小縣大輝)