熱い声援 ランナー後押し フードバレーマラソン
昨年を800人余り上回る4092人がエントリーした「2013フードバレーとかちマラソン」(実行委員会主催)は4日、紅葉が映える秋晴れの下、全国各地からのランナーが駆け抜けた。ユニークな仮装姿や、遠方からの参加者、ご長寿ランナーなどが思い思いのペースで力走。沿道からは大勢のボランティアや市民が熱い声援を送り続け、晩秋の十勝野を舞台に力を振り絞った完走者の充実した笑顔が広がった。(原山知寿子、丹羽恭太、杉原尚勝)
誘導や給水 市民も協力
○…コースの沿道には多くの市民が立ち、力走する参加者に「頑張れ」「あと少し」と盛んに声援を送った。中高生や企業などからの約800人のボランティアも誘導や給水などでランナーをサポートした。
帯広南商業高校は生徒約40人が学校近くの中島通沿いで応援パフォーマンスを繰り広げた。吹奏楽部の「負けないで」の演奏に合わせて、バトントワラー部が金色のポンポンを手に踊りで激励。折り返し地点を過ぎて疲れが見えるランナーも手を振って応えた。
帯広信用金庫は白樺通沿いの、柏林台、開西の両支店前に給水所を設置。紙コップ入りの水とチョコレートを1500人分配った。開西支店の後藤功順支店長は「完走してもらいたい」と応援の声を張り上げていた。
沖縄から移住 憧れかなえる
○…5キロ一般女子にエントリーし、完走を果たした市内の看護師田辺愛さん(33)は、10月末に沖縄県石垣島から帯広に移り住んだばかり。以前から憧れていた北海道を駆け抜ける夢をかなえ、新たな地での生活も最高のスタートを切った。
3年前から趣味でマラソンを続ける。全国各地の大会に出場経験があるが、北海道の大会は初めて。38分台の記録は不本意だが、「景色を眺めながら観光気分で楽しく走れた。沿道の温かい応援が心強く、これからの生活も楽しみ」と満足そうに笑顔を見せた。
最高齢の89歳 和田さん元気に
○…今大会出場者中最高齢の和田政能(まさよし)さん(89)=帯広=は、昨年に続いて5キロの「ばんえい十勝」コースに出場。「年齢には勝てない」と苦笑いしながら他のランナーとともに元気に走り抜いた。
マラソン歴は20年以上。今大会に向けて月に20日間・計約200キロの走り込みとウオーキングで鍛えてきた。自己設定した1キロ7分のペースを守り、33分29秒で見事に完走。「90歳で迎える来年の大会を節目にしたい」。ご長寿ランナーとして元気に現役宣言した。
初挑戦中川議員 鈴木代表も完走
○…2・5キロには中川郁子衆議院議員(54)、5キロには新党大地の鈴木宗男代表(65)が出場した。
マラソン大会は初挑戦という中川議員は「体調はいいので楽しく走りたい」と笑顔でスタート。鈴木代表は「大会はフードバレーを推進する起爆剤。笑顔で走りきりたい」と話し、それぞれ沿道の声援に応えながら完走した。中川議員は18位、鈴木代表は58位だった。
OCTV生中継 息づかい伝える
○…FM-JAGAのDJ栗谷昌宏さん(42)=帯広=はハーフの部に出場し、1時間50分30秒で完走した。大会前にはトレーニングの様子を担当番組でオンエアし「リスナーからのたくさんの応援で走れた」とすがすがしい表情で語った。
OCTV(帯広シティーケーブル)とFM-JAGAは大会の様子を特別番組で生放送した。OCTVは藤丸前のスタート地点、中央公園のゴール、2・5キロ地点(西町公園)の3カ所で生中継した他、完走直後のランナーのコメントも伝えた。
十勝毎日新聞社はインターネット動画サイト「USTREAM」でハーフマラソンの先頭者を追う初の移動中継を行い、5、6カ所のポイントから多元同時生中継した。中継はWEBTOKACHI、勝毎電子版の同マラソン特設ページを通じて発信した。OCTVの再放送は午後3時と同7時。