直木賞の西條さん母校に特集コーナー
時代小説「心淋(うらさび)し川」(集英社)で第164回直木賞を受賞した、池田町出身の西條奈加さん(56)=東京都在住=の母校である帯広三条高校図書室に、西條さんの作品を特集するコーナーが設けられた。直木賞受賞を機に西條さんの作品に触れる生徒や教職員も多いといい、図書室を利用する生徒からは「母校の誇り」といった声も聞かれ、祝福ムード一色となっている。
コーナーは図書室入り口正面の最も目立つ位置に設けられた。作品を紹介しているほか、西條さんの写真と「受賞おめでとうございます」というメッセージが書かれたパネルとともに、十勝毎日新聞社が受賞が決まった際に発行した号外や、インタビュー記事なども掲示されている。
受賞後に「善人長屋」(新潮社)を読んだという境美結さん(1年)は「時代小説ということで、難しそうなイメージがあったが事前の知識がなくても楽しめる作品だった」と話す。
図書局の山川和哉局長、山本星士郎副局長(共に1年)の2人は、卒業生の快挙を伝えようと図書館報を制作中だといい、今月発行される次号では代表作などの書評を掲載する予定だという。
さらに同校常磐同窓会(谷脇正人会長)の協力で集英社へのコンタクトを取っており、西條さんへの文章でのインタビューも予定されていて、次々号で掲載予定だという。山川局長は「『心淋し川』は(連作集で)どれも心温まる話で素晴らしかった。受賞は自分のことのようにうれしかった」と話していた。(大谷健人)