和田仁智義さん美術文化展で最高賞
【芽室】町在住の和田仁智義(にちぎ)さん(61)が、前衛美術の公募展「第74回美術文化展」(美術文化協会主催)平面作品部門の絵画で、最高賞の美術文化賞を受賞した。初の最高賞に和田さんは、「今後も社会に訴える作品を追究したい」と喜んでいる。
同展は絵画とデザインの平面作品と、彫刻などの立体作品で募集している。全体で554点、絵画は最も多い482点の応募があった。美術文化賞は平面の絵画と立体でそれぞれ1点ずつ選ばれ、デザインは今回該当がなかった。
和田さんは元帯広工業高社会科教諭。大学生の頃から独学で絵を学び、同展は4年前に初出品して美術文化賞に次ぐ奨励賞を受賞。その後会友推挙、第3席に当たる努力賞、第4席の岡田徹賞と入賞を続けた。現在は平原社美術協会の会員で事務局長を務める。
出品作は約200号サイズで、3枚組みの大作「風水」。アクリルと油彩で、自然の荘厳さと人間の無力さを意識し、共に生きる社会の在り方を訴えた。半年をかけて何度も削っては描き直したという作品は、重厚感あふれるこけむした岩や、白と黒で明暗をつけた背景が強い印象を放つ。
和田さんは受賞について「信じられない気持ちだった。所属している平原社の仲間の支えのおかげもある。最高賞受賞に恥じないよう活動したい」と謙虚に語った。
美術文化協会は、文化勲章受章者の故福沢一郎など、前衛の作家などを中心に1939年に発足。同公募展は翌40年から続いている。(山岡瑠美子)
◆和田仁智義について
・美術文化展で岡田徹賞 帯広の和田仁智義さん-十勝毎日新聞電子版(2013/05/25)
・和田仁智義さんが美術文化展で努力賞-十勝毎日新聞電子版(2012/05/19)
・和田仁智義さんが6年ぶりの個展-十勝毎日新聞電子版(2011/03/07)