「パン、家族のよう」 のんびり屋 まちマイ音更編
浦木茂さん(55)明子さん(50)夫妻
「変わらないおいしさで、毎日食べても飽きないパンを作り続けたい」。材料にこだわりながら、一つひとつ心を込めてパンを焼き続ける。
埼玉県の動物園に勤めていた茂さんと明子さんが1989年に帯広市内に店を構えた。2000年、現在地の下士幌北3線東51に茂さんが自ら建てたログハウスの店舗兼住宅に移り住んだ。
「安心して食べられ、その土地に根差したパンを作りたい」「味わい深く、コクが出るように」と、十勝では先駆け的に国産小麦、天然酵母にこだわったパンを作っている。「ここのパンじゃなきゃだめ」と言う人もいるほどファンは多い。
店の名前や木-日曜の営業ということから、悠々自適な生活を送っていると思われがちだが、実は休みの日もパン作りの作業は続く。「家族のようなもの」という酵母の管理は毎日欠かせない。午前2時に目覚ましをセットして仕事を始める。「のんびりはできません」と笑う。
朝起きるのはつらいが、「近所の子供たちがお小遣いを握りしめ、『これおいしいんだよね』と言って何度も買いに来てくれることがうれしい」とやりがいを実感。「買いに来てくれる人がいる限りは、よぼよぼになってもパンを焼き続けていきたい」と今後を見据える。(津田恭平)
((電話)0155・30・8022)
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