多目的小型無人機で飛行試験 大樹町多目的航空公園で23日まで
【大樹】独立行政法人の宇宙航空研究開発機構(JAXA)と海上技術安全研究所(NMRI)は、町多目的航空公園で多目的小型無人機による飛行試験に取り組んでいる。23日までの期間中、10人前後の実験クルーが滞在し、上空からの映像伝送実験を行う予定。
同無人機はJAXA、NMRI、気象庁気象研究所が共同で開発し、気象観測や海上監視、災害監視など多岐にわたる活用を目指している。飛行試験は昨年から本格的に行われ、大樹での試験は昨年12月以来6回目。7月上旬までの約3週間は、鹿児島県の薩摩硫黄島で風向、風速、温度、湿度、気圧などのデータを取得する気象観測飛行試験に成功している。
機体は全長1・8メートル、全幅3・3メートル、重量約20キロ。カーボンファイバー製で後方にプロペラを取り付けている。今回の試験では、飛行機に取り付けた小型カメラの画像を地上のアンテナで即時受信する。昨年12月に大樹町で行われた同試験では、距離約1キロの範囲内で鮮明なビデオ画像を地上に伝送した。今回は高度200メートル、距離2キロの範囲内での飛行試験を予定している。
試験では乗用車の屋根に実験機を搭載。スピードに乗った乗用車から離陸し、遠隔操作する。NMRIの桐谷伸夫工学博士は「実用化されれば、遭難者の捜索や人が近寄れない災害地の観測などが可能となる。画像のリアルタイム受信は距離5キロの範囲内を目標とし、今後も大樹で飛行試験に取り組みたい」と話している。
(松村智裕)