十勝彩るガーデン続々オープン
春の行楽シーズンを迎え、十勝管内のガーデンで19日、相次いで今季の営業が始まった。花冷えのスタートとなったが、各ガーデンにはオープンを待ちわびた家族連れや花好きの愛好者が多数訪れ、春の花を楽しんでいる。
赤いバラで歓迎 “小さい春”随所 十勝ヒルズ
幕別町内の観光庭園十勝ヒルズ(日新13)では、センターハウス入り口にスタッフが1枚ずつ花びらを重ねて手作りしたディスプレーを用意し、赤いバラをメインに春らしい彩りで来園者を出迎えた。
ガーデン内では、スノードロップなど背の小さい春の花が愛らしく咲いているほか、地中に植えられた球根などが芽を出し始めている。オープンに合わせ、花苗や堆肥などプロ仕様のものを販売し、地元住民らが好みの品を目当てに足を運んでいた。
20、27日にヘッドガーデナーによるガーデンガイドを企画。村本功士支配人は「毎月、イベントを企画しているので、季節の移ろいとともにイベントも楽しんでもらいたい」と話した。
毎年足を運ぶという音更町の会社員金子康成さん(50)は「季節によって移り変わるガーデンを楽しめる。今年もシーズン通して家族で足を運びたい」と話していた。(完戸雅美)
リスは巣作り サクラも期待 真鍋庭園
帯広市内の真鍋庭園(稲田町東2線6)では、エゾヤマツツジやベニカエデ、パンジーなどが彩り始め、草木をゆっくり眺める人や、販売している花苗を品定めする人が見られた。
同園は道内では珍しい日本庭園のほか、西洋風庭園、風景式庭園の三つのテーマで構成。1000種類ほどの草木があるが、今年は大雪の影響で傷んだ樹木もあり修復作業が続くという。
野生動物を観察できるのも特徴で、葉が茂る前のこの時期はエゾリスが巣作りで走り回る姿が見られるほかウグイスの鳴き声も確認できる。
毎年、年間パスポートを購入し、毎週訪れるという幕別町の70代女性は「花はこれからだが、緑がきれい。小鳥も鳴いていてなごまされる」と笑顔だった。
庭園の管理責任者などを務める加藤弘規さん(56)は「雨が断続的に降っているので新芽が吹いてきている。サクラも今月中に咲きそうな勢い」と話していた。(高井翔太)
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このほか、十勝千年の森(清水町羽帯)、紫竹ガーデン(帯広市美栄町)も今季の営業をスタートさせた。