「レジ内にイス」福原が試験導入 負担軽減、「来店客にも一定の理解」
食品スーパーを運営する福原(帯広市)は、一部店舗のレジカウンター内に、従業員が座りながら作業できる椅子を試験的に導入している。長時間の立ち仕事となるスタッフの身体的・心理的負担を軽減し、接客の向上にもつなげることなどが狙い。十勝管内では珍しい試みで「現時点では来店客から一定の理解をいただけている」としている。
いっきゅう店(市西19南2)で2脚試験導入されている。昨夏に現在配置しているものとは別タイプの椅子を初めて入れたが、「幅を取る」「不安定」などの声を受けて一度撤去し、今月13日から現タイプを再配備。総勢17人のレジ担当が交代で使用している。新津隆明店長は「座面の高さなどが調節でき、軽量コンパクト、安定性もある」とする。
レジ担当16年の女性従業員(39)は、客がいないタイミングを見て利用することが多いとし、「ぜんそくの持病があり、寄りかかるだけで疲れが軽減できる」と笑顔。10年以上通う女性客(85)も「接客も良く、全く気にならない」と理解を示す。
同社は「『福』を届けます、すべての人に。」をコーポレートメッセージに、従業員の働く環境の向上にも力を入れている。「現時点で来店客からの苦情などはなく、理解いただいている」と新津店長。同社は一定程度継続した後、導入を拡大するか判断する。
関係者によると、全国的にも近年、レジ内に椅子を導入するスーパーなどが増えている。厚生労働省によると、労働安全衛生規則では、就業中にしばし座れる椅子の備え付けを事業者は義務付けられている。(佐藤いづみ)