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防げ!特殊詐欺被害 全駐在所一丸で集中啓発 帯広署

特殊詐欺被害防止を呼び掛ける塗り絵を作成した児童ら。帯広署では20日まで、さまざまな啓発活動を行う

 全国地域安全運動(20日まで)に合わせて、帯広署(工藤博光署長)は、同署管内全14駐在所の所在地で「特殊詐欺被害防止啓発」を行っている。全駐在所が期間を定めた上で、集中的に特殊詐欺の啓発を行うのは初。地域に密着する駐在所員の趣味や、地域とのつながりも生かしたユニークな啓発も予定しており、「広く深く」特殊詐欺への注意を呼び掛けていく。

 今年の道内の特殊詐欺被害総額(9月末現在)は、4億1200万円(前年同期比1億3600万円増)。SNS型投資・ロマンス詐欺の被害額は17億1100万円で、同13億円以上増えている。同署によると、同署管内でも同様に被害は増えている状況だ。

 啓発活動は、こうした被害を食い止めようと企画。それぞれの地域住民にとって身近な駐在所員が活動の中心を担うことで、より危機意識を高めてもらう狙いもある。14駐在所に加え、音更と芽室両交番の所在地で、10日から開始。防犯講話やチラシ配布などを20日まで行う予定だ。

園児の塗り絵 ATMに掲示
 11日には、糠内駐在所の所在地、幕別町糠内地区の糠内郵便局で、地域の保育園児、小学生が描いた塗り絵をATM(現金自動預払機)コーナーの前に掲示した。明倫小2年の中村彩芽さん、糠内小2年の中川原柚月さんが「みんなが、だまされないように使ってください」と話し、野々村益明局長に塗り絵を手渡した。

 啓発活動の中では、駐在所員の個性を生かした取り組みも。20日は士幌町で、中士幌駐在所員が、レザークラフトの切れ端を用いて趣味で作成した「♯9110」(警察相談専用ダイヤル)刻印のキーホルダーを配布する予定だ。

 また、幕別町忠類では同日、野球少年団のコーチを務める忠類駐在所員が子どもたちと一緒に啓発チラシを配る。

 帯広署の高見昌志地域官は、「被害は年齢や性別を問わずに発生している。知らない人から金銭を要求する電話やメールが来たら、♯9110に相談を」と呼び掛けている。(中島佑斗)


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