20代で難関「技術士」合格 北王コンサル関根さん
北王コンサルタント(帯広市、石川健司社長)の技術者、関根絵理さん(26)が建設部門の「技術士」の2次(最終)試験に合格した。日本技術士会は「30~40代で受ける人が多い難しい資格。実務経験も必要なため、20代半ばの合格はかなり早く、全国でも少ない」とする。
技術士は「技術管理者」として業務の責任者を務めるために必要な資格で、公共事業の受注などにも大きく影響する重要な資格。指定大学の卒業生か1次試験合格者が、数年の実務経験の後に2次試験を受け、論文試験や口頭試験で専門性を問われる。今年度の建設部門の合格率は9・8%。合格者の平均年齢は42・8歳で、20代は1割ほどの難関だ。
関根さんは帯広農業高校農業土木工学科を卒業し、2016年に入社。道路や公共施設の外構の設計などを担い、3年目の18年度に「大卒程度」とされる1次試験に合格した。以降は技術士補として、橋の点検・補修などの業務を担当。実務経験が7年となった今年度、「鋼構造及びコンクリート」の分野で2次試験を受け、一発合格した。試験勉強では国土交通白書を読み込み、日本の抱える課題や新技術、統計情報などの理解を深めた。「一度で受かるとは思わなかった」と話すが、「実務経験を積む間、コンクリート診断士など他の資格を取得した知識が基盤として役立った」と、日頃の業務の合間で重ねた努力を実らせた。
同社の佐藤寛総務部長は「今後は業務の責任者として指導的な立場になる。いろいろな経験を積んでほしい」と高い期待を寄せる。関根さんは「道路や河川など、業務と関連する分野でまだまだ勉強を続けていきたい」とさらなる努力を誓う。(吉原慧)