池田町出身の造形師村瀬継蔵さんに日本アカデミー賞協会特別賞
【池田】日本アカデミー賞が25日発表され、池田町出身の造形師村瀬継蔵さん(88)=東京都=が協会特別賞(特殊美術造形)を受賞した。村瀬さんは「こんな賞を頂けるとは思っていなかったのでびっくりしている。池田町への恩返しになるかな」と喜んでいる。
村瀬さんは池田東台小、池田中、野幌機農高卒。1958年、東宝に入社。特撮の第一人者、故円谷英二氏との出会いが転機となり、72年に東宝から独立して美術造形会社「ツエニー」(東京都瑞穂町)を立ち上げた。「大怪獣ガメラ」や「大魔神」シリーズ、テレビでは円谷プロダクションの「ウルトラマン」シリーズ、東映の「仮面ライダー」シリーズの造形を担当した。
自身が原作・総監督を務める初の映画「カミノフデ(仮)」は年内に全国で公開の予定。ワイン城をはじめ池田町内でも撮影が行われた。
協会特別賞は、映画制作の現場を支える種種の職能に従事するスタッフの栄誉をたたえる賞。最優秀賞など正賞以外の賞で、今回は村瀬さんの他に、美粧、キャスティングなどを担当する3人が選ばれた。
村瀬さんは「池田町のおかげで村瀬継蔵がいると思っている。映画にも池田での映像を使ってある。賞を受ける人は数多いわけではなく、身が細るような思い」と話している。同町の安井美裕町長は「すばらしい賞を受けられたのは村瀬さんのご努力のたまもの。池田町などで撮影した映画の公開も楽しみ。町民に夢と希望を与えてくれる」と祝福している。
授賞式は3月8日に都内のホテルで行われる。(吉良敦)